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中国映画おすすめ100選への道: 6月 2017
「花様年華」
成熟した中国映画の渋さを見せ付ける秀作。返還前の香港の浮世に漂う大人の男女の愛情は、「一線を越えた越えない」といった薄っぺらな話ではない。
映画の紹介
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花様年華 |
「四十にして不惑」という言葉があるが、この映画は、まさしく不惑と煩悩との間をさまよう、渋い男と女の物語だ。そして、彼らは最後は不惑の世界に留まり、それぞれの道を何事もなかったかのように歩みだすことだろう。誰でもこうありたいと思うが、なかなかそうはいかないのが人生。この映画を一言で表せといわれたら「渋い」。それ以外の言葉は見つからない。
映画データ
出演: トニー・レオン, マギー・チャン, スー・ピンラン, レベッカ・パン, ライ・チン
監督: ウォン・カーウァイ(王家卫)
略歴:1958年、上海に生まる。5歳で香港に移住。
香港理工学院入学、グラフィック・デザイン(専攻)
その後映画の脚本家を経て監督。
■ウォン・カーウァイ監督の作品
1988年、「いますぐ抱きしめたい」で監督デビュー。
1990年代、「欲望の翼」「恋する惑星」「天使の涙」などの青春群像劇を独特の語り口調と個性的な映像美で注目を集める。
2000年、「花様年華」
2000年代~「2046」「グランドマスター」など。
ストーリー
1962年、香港。
新聞社の編集者であるチャウと商社で秘書として働くチャン夫人。
二人は同じアパートに同じ日に引っ越して来る。
やがて、二人は互いの伴侶が不倫関係にあることに気付き、秘密の時間を共有していく…。
背景と見どころ
この映画の題名「花様年華」は「花のようなきれいな時期」の意味で、「青春時代」を指す場合が多いということだが、青春というには少しトウが立ちすぎている気がするのだが・・。
この映画の舞台設定は、1966年、香港。このころの香港といえば、中国への返還を控え、市民レベルでも、自分達の将来を見据え、どう動くべきかを見極めようとしていた時だ。映画の中にも、主人公のアパートの女主人がアメリカの娘の下へ行くという会話やシンガポールへの移住の話、みんな出て行くという会話の中にも出ている。当たり前かもしれないが、誰も中国に返還されるのだということを現実に感じていないようなところがある。中国はこのころは未だ文化大革命の真っ最中だった時代。
映画ではある種の閉塞感が全体に醸しだされていた。これも時代を反映した作品であった。
王家の紋章
映画の紹介
晩唐に起こった黄巣の乱で、中国は五代十国の乱世に突入する。その中の一つである後唐を舞台に繰り広げられた陰謀渦巻く権力闘争は、重陽節を軸に華やかな宮廷を血で染める。国王、王妃、皇太子、第二王子、第三王子の間の争いは行き着くところを知らない。コンリーの王妃はあくまで美しく、悲しくもある。
映画データ
主演 :チョウ・ユンファ, コン・リー, ジェイ・チョウ, リウ・イェ
助演俳優 :シン・ジュンジェ
監督 :チャン・イーモウ
ストーリー
背景と見どころ
この物語は、唐の末期に起こった黄巣の乱の平定に力のあった朱全忠が後梁を建てるが、この映画の中の王である李存勗は923年後梁を滅ぼす後唐を建てた。この後唐が舞台となっている。後唐の権力基盤はまだ脆弱で定まらず、権力闘争で揺れ動く。唐は終わり、乱世の五代十国の時代に突入する。この後唐は936年に滅んでいる。後唐の寿命は僅か13年の短いものであった。それでも後唐の勢力図は地図の通り、華北を制する広大なものであった。
映画の紹介
私がおすすめするのは、「いますぐ抱きしめたい」だ。最初は題からどんなかわいい映画かなと思ったら、中身は「やんちゃ」な映画だと感じた。しかし、はやり面白かった。最初は、この「抱きしめたい」というのは,誰を抱きしめたかったのか?はっきりしなかった。
しかし、原題が「旺角卡門」(オウカクのカルメン)であることを知って、映画の意図と監督の云いたいことが何かを読み取ることが出来た。
これは単なる、街のチンピラの恋と暴力を描いたものとは違い、イギリスの植民地の中の閉ざされた租界「旺角」の中の民衆のやりきれない閉塞感を代弁したものだ。
香港映画界の鬼才、ウォン・カーウァイの監督デビュー作。
キャッチフレーズは「香港の暗黒街に生きる青年の姿を独自の映像感覚で切り取った痛切なラブストーリー。」であるが、この話に終わらせてはいけない気がする。アンディ・ラウ、マギー・チャンが共演。
映画データ
原題:旺角(英語読み:モンコク)卡門(日本語の意味は、モンコクのカルメン)
ジャンル :ロマンス, ドラマ, アジアの映画
主演 : アンディ・ラウ, マギー・チャン, ジャッキー・チュン, アレックス・マン
監督 : ウォン・カーウァイ (王家卫)
言語: 広東語
字幕: 日本語
製作:1988年
時間: 99 分
ウォン・カーウァイについて
簡体字 王家卫(因みにこの漢字の読みは中国語の北京語によるものではなく、広東語の発音である)
出身地 中国香港
生誕 1958年7月17日 中国上海
職業 映画監督、脚本家
活動期間 1982–
略歴 中国・上海出身、五歳のときに香港に移住。香港理工学院へ入学、グラフィック・デザインを学ぶ。卒業後テレビの現場を経て、脚本家として映画界にデビューした。
ストーリー
香港の大繁華街モンコクに住む従兄アンディを訪ねたマギーは、ギャング組織を抜け出せずに、すさんだ生活を送っている彼に反発しながらも、心ひかれるものを感じていく。
度重なる抗争に嫌気が差していた彼もまた、彼女のもとに身を寄せるように。しかし彼は、弟分ジャッキーの危機を知り、ジャッキーを思い留まらせようとある思いを秘めて、再び暗黒街へと向かった…。
背景と見どころ
この映画が作られたのは1988年で、香港返還前である。この時は香港島と半島ともにイギリスの疎開地であったが、この映画の舞台となった地区は、当時の警察権も及ばない無法地帯であった。
この映画はこの特殊な界隈の危険な状況を良く描き出していると同時に、その暗黒街の泥の中に生きる青年のうめき声が聞こえてくるようだ。
映画の紹介
おすすめの映画、こころ洗われる映画だ。映画に対しても、音楽に対しても、観客に対しても、実に純粋で、誠実な映画だった。父親もさることながら、主人公のチュンを演じたタン・ユンが実にいい。
これには余計なコメントは不要だ。無条件に全ての人に見てほしい。
『さらば、わが愛 / 覇王別姫』 のチェン・カイコーが、父子の熱い絆をつづった感動作。天才的なヴァイオリンの腕前を持ちながら田舎町で暮らす少年・チュン。なんとか息子をヴァイオリニストとして成功させるため、父・リウはチュンを連れて北京へと旅立つ。
映画データ
出演: タン・ユン, リウ・ペイチー, ワン・チーウェン, チェン・ホン
監督: チェン・カイコー(陳 凱歌)
販売元: ジェネオン エンタテインメント
時間: 117 分
監督 陳 凱歌について
生年月日: 1952年8月12日
生まれ: 中華人民共和国 北京市
書籍: King of the children、 花の生涯-梅蘭芳(メイランファン)
代表作
- 花の生涯~梅蘭芳(メイ ラン ファン)~ (2008) 監督
- 北京ヴァイオリン (2002) 監督/出演/脚本 ユイ教授
- キリング・ミー・ソフトリー (2001) 監督
- 始皇帝暗殺 (1998) 監督/脚本/製作/出演
- さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき) (1993) 監督/製作
- 黄色い大地 (1984)
ストーリー
ヴァイオリンの才能ある息子を一流のヴァイオリニストとして成功させるために、貧しい父はお金をコツコツためて、息子と北京へ。
そこで出会った人々との交流を通して、親子のきずなを描いたチェン・カイコー監督の感動作。
背景と見どころ
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長江の下流に広がる穀倉地帯
(上海、無錫、揚州、南京、杭州、紹興、蘇州) |
主人公達が北京に出てくる前に住んでいた田舎町は多分江南の蘇州か紹興辺りの街だろうと思う。江南は北京に比べれば、田舎町ではあるが、昔から生活が豊かで、東北や北部のように異民族との抗争に明け暮れたところとは違い、落ち着いた街が並んでいる。
江南に関する詳しい説明は、
【
「中国百科検定」地理編の江蘇省、浙江省、安徽省】
☜ こちらをクリックしてください
映画の紹介
文句なしに涙を流した。両親の不慮の死により離れて暮らすことになった兄妹4人。20年の時を経て再会を果たそうとするが…。ユイ・チョン監督が贈る感動物語。出演はジジ・リョン、ジャン・ウーほか。
映画データ
出演: ジジ・リョン, ジャン・ウー, シア・ユイ
監督: ユイ・チョン (兪鍾)
中国人監督・兪鍾(ユー・チョン)について
兪鍾(ユー・チョン)は北京電影学院出身の映画監督。彼の手がけたものに『我的父親(私の父親)』『我的兄弟姐妹(私の兄弟)』などがあり、家族の絆を描く作品で高い評価を受けている。
字幕: 日本語
ストーリー
両親の死により、4人の子供たちが、色々の人に預けられ離れ離れに暮らすことになった。兄は幼い弟や妹達のため、必死になって養育先を探す。20年間はそれぞれが必死に生きたであろうことは、いちいち書くまでもない。
背景と見どころ
4人もいれば一人ぐらい拗ねたのも出てきても不思議はないが、この映画のいいところは、そのような安易な問題提起を出さず、基本的には全員のしっかりした生き方を通して、社会の矛盾を告発していることではないだろうか。
時代や感覚こそ違うかもしれないが、今こそ日本の子供や青少年全員に見て欲しい映画だ。
この映画の舞台設定は、優れた才能を持ちながらも、文化大革命のさなかに云われなきそしりを受け、主人公とその家族5人が悲惨な生活を強いられる。
文化大革命の中では、この主人公のような犠牲はまだ軽いほうで、現実には、文化大革命という「非文化革命」という激動の中で、暴力そのもので命を落とした、映画人は数知れない。
「中国百科 文化芸術編」の「文化大革命と映画界」の中で、その辺りに詳しく触れられているので、以下参照願いたい。しかも残念なことに、「この文化大革命」の総括は、未だしっかりと為されたとは云えず、今尚その残渣に苦しんでいる人々がいる。
詳しい説明は 【文化大革命と映画界】 ☜ こちらをクリックしてください
映画の紹介
中国百科映画館がおすすめする中国映画ではない「モンゴル」・・日本人のたち位置が分かる!
本年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。
史上最強の統率者チンギス・ハーンの、知られざる半生を描いたスペクタクル超大作。
この映画の時代は、日本で言えばちょうど鎌倉幕府が誕生した時代に相当する。
この映画の舞台となったモンゴル平原とゴビ砂漠と日本の自然との違い。義経がジンギスハンになったという伝説もあるが、この映画を見ればそれが如何にあり得ないことかわかるのではないか。
美しい自然に恵まれた日本人はどうしてあの荒ぶる大自然と荒ぶる民の中に生きることが出来ようか。
この映画は、日本人の立ち位置は如何にあるべきかを知らしめるよき教材になった。
映画データ
浅野忠信/スン・ホンレイ/クーラン・チュラン
監督・脚本・製作:セルゲイ・ボドロフ
ストーリー
未だこの世が暴力と暴虐に支配されていた時代、モンゴルでは多くの部族がその覇を求めてせめぎあっていた。その一部族の頭領の息子として生まれたテムジンを待ち受けていたのは、父親の毒殺、背信、そして異国で奴隷として獄につながれるという過酷な試練。
しかし、彼の不屈の闘志はその試練を撥ね退け、さらわれた妻とその子を救い出し、他部族の子にも拘らず、自分の子として育てる。彼はやがて、寛容と包容力で次第に部族を統合し統率者として任じていく。
この世に二人の覇者は要らない。義兄弟にして宿敵の勇士ジャムと覇を決する戦いで相見えることとなる。
ジャムとの戦いでハーンとなった男はジンギスハーンとして、更なる世界制覇の道に押し出されてくる。
背景と見どころ
この映画の中で度々繰り返される会話。「モンゴル人は○○じゃないの?」「俺は違う!」この常識にとらわれない、強烈な個性が、かれをモンゴル大帝国のハーンへと導いたのではないか。勿論今ではこの価値観、世界観は通用するものではない。では今ではどういう世界観が要求されるのだろうか。
それは、「世界全体を見渡した上で、色々の価値観を相互に認め合い、相手を納得させる寛容と説得力」ということになるだろうか? 余りにきれいごとかもしれないが、しかし今では互いに我を張り合っていたのでは、世界は滅亡してしまうような気がする。
人間は既に地球を余裕のない状態にまで持っていってしまっている。人間よ賢くなれ!
映画の紹介
「遺言は笑って泣けるお葬式」喜劇であるが、実に真面目に人間を真正面から捉えた素晴らしい映画。改めてフェン・シャオガン監督に惚れ直した。
素晴らしい映画だ。なんでもビジネスにしてしまう中国人の逞しさがなんとなくユーモラスがあって、滑稽だ!
映画データ
ジャンル:ドラマ, 外国映画, コメディ
主演 :ドナルド・サザーランド, ポール・マザースキー, グォ・ヨウ, ロザマンド・クワン
監督 : Feng Xiaogang (馮小剛)
生年月日: 1958年3月18日 (59歳)
生まれ: 中華人民共和国 北京大興区
主な作品
- 夢の請負人(1997)
- 遥かな想い チャイニーズ・ドリーム in U.S.A(1998)
- ミレニアム・ラブ(1999)
- 一声嘆息(2000)
- ハッピー・フューネラル(2001)
- 手機(2003)
- イノセントワールド -天下無賊-(2004)
- 女帝 [エンペラー](2006)
- 戦場のレクイエム(2007)
- 狙った恋の落とし方。(2008)
- 唐山大地震(2010)
- 狙った恋の落とし方。(2010)
ストーリー
中国の紫禁城で撮影中のハリウッドの巨匠ドン・タイラー監督は膨⼤な資⾦を掛けているにもかかわらず、アイディアに⾏き詰まり撮影を⼀旦中⽌、監督交代を迫まられ消耗していた。
ある⽇タイラーは助⼿のルーシーやカメラマンのヨーヨーから、中国人には、大往生を祝う"喜葬"の考え方があることを知る。タイラーはそれを"喜劇葬式【コメディ・フューネラル】とおもしろがり、自分の葬式は、この形にしてくれと言う。
数日後、タイラーは突如、意識不明に陥入り、危篤状態に。"喜劇葬式【コメディ・フューネラル】"が、彼の遺言と考えたヨーヨーは、彼の喜んでくれる葬式をしようとプロモーターのワンと計画を⽴て始めるのだが・・・。
背景と見どころ
リストラされた撮影助手が、自分を認めてくれた監督が撮影現場で倒れる前に残した言葉「自分の葬式は楽しい葬式にしてくれ」を遺言と考え、監督の想いを一生懸命実現しようとする。
主人公の監督に対する一途な思いとそれを支える助手。葬式をも、ありとあらゆるものをコマーシャルにして一儲けしようとする有象無象の輩たち。商業主義を思い切り皮肉った、真面目にして滑稽な作品。
映画の紹介
ラウ・カーリョン監督 × リュー・チャーフィーが贈る伝説の「少林寺」映画がお得な価格で登場!
タランティーノが“カンフー映画史上最高の3本に入る"と評した傑作!
この手の映画はあまり考えなくなくていいのがミソ。 だけどこのサイトでは、やはり少しは考えていただくことにしよう。
映画データ
出演: リュー・チャーフィー
監督: ラウ・カーリョン
言語: 中国語, 日本語
ストーリー
清の時代、父と友人を殺された青年リュー・ユウダが、武術の総本山・少林寺でサンダの僧名を授かり、三十五の修行房での特訓の果てに、得意の三筋棍で清の悪将軍に戦いを挑む。
背景と見どころ
明から清に時代が変わるときは、漢民族の支配から女真族の支配を受け入れなければならないという漢民族にとっては、屈辱的、生理的な拒否反応が全国各地で見られたようだ。そのもっとも著名なものは、この映画にも出てくる鄭成功による反乱である。この話は近松門左衛門の「国姓爺合戦」で有名なのでご存知の方も多いだろう。
又その他揚州の「史可法の抵抗」である。この抵抗戦は、近年になって揚州出身の主席江沢民がこの史可法を英雄として持ち上げたことによりクローズアップされたが、私はこの男は日本の明治維新の時の近藤勇と変わりはなく、何で彼が民族の英雄として評価されたのか理解に苦しむ。
映画の紹介
戦いの歴史という荒波に翻弄された男女がたどる、悠々しくも切ないバトルアクション・エンターテイメントがリプライス! !
映画データ
出演: ヴィッキー・チャオ, チェン・クンシャオフー, イシー・チャン, フー・ジュン, ユー・ロングァン
監督: ジングル・マ
言語: 中国語
字幕: 日本語
時間: 114 分
ストーリー
木蘭(ムーラン)が登場する故事「木蘭詩(木蘭辞)」は、中国の南北朝時代に作られた作者不明の古楽府のひとつ。「木蘭詩」は詩歌や戯曲・小説の題材となり、小説としては清代の「隋唐演義」(作:褚人穫)に木蘭のエピソードが収められています。
武術に長けたことから、病弱な父の代わりに女であることを封じ戦地で戦った英雄ムーランの壮絶な生き様を描くアクション・スペクタクル!ヴィッキー・チャオ、チェン・クンほか出演
背景と見どころ
ムーラン自体は伝説の英雄で、架空の人物だったとしても、その物語を生んだ時代背景が気になるが、どうも時代背景がはっきりしない。映画に出てくる柔然、魏軍、鉄を求める等から、柔然が勢力を持ち、魏軍と勢力を争った時代などを考え合わせると、魏晋・南北朝・隋・唐の時代辺りの物語と考えられる。隋の力が弱まり、唐が力を得るころには、突厥が柔然を滅ぼし、遊牧民族国家を形成し、モンゴル付近にいたチュルク系民族が力を得るようになる。この物語は5世紀~6世紀にかけての物語かなと推察する。
そのような難しい話は別として、武装映画にも拘らず、しっとりとした情感にあふれた展開はすばらしいと思います。雄大な景色、砂嵐などの自然の猛威などが人間の争いをますます小さなものにしてしまうようでした。主人公のヴィッキー・チャオの魅力・・やはり素晴らしい。戦場で将軍として振舞わなければならないのにあの女らしさは、ありえないと思うのですが・・。もう少し将軍としての冷徹さと自分との戦いの葛藤が出せたらもっと良かったのじゃないかと思います。
ヴィキペディアによれば、柔然の衣食住の様式は以下の通りということ。
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柔然の5C-6Cの勢力範囲地図 |
夏は漠北で暮らし、冬になると漠南に移動し、また夏になると漠北に帰る。というように移動しながら狩猟・牧畜をして生活をしていた。中国のように城郭をもたず、氈張(穹盧)に住み、移動の際にはそれを折りたたみ、家財道具とともに轀車(おんしゃ:荷車、キャンピングカー)に載せて運搬する。入口は必ず太陽の昇る東側に向け、東面の座を上座とした。食物は酪(らく:乳製品)と肉を常食とし、穀物も食べていた。髪型は辮髪で、服装は錦・革製の短上衣、口の窄いズボン、深い靴、外套を身につけていた。
映画の中でははっきりしなかったが、柔然の女性は辮髪のようであったが、男達は普通のザンバラ髪のようだ。しかし戦場の場面だけだし、細かいこと云えば限がない。娯楽映画としては、十分だろう。ついでに柔然の奴隷として、製鉄に携わっていた部族に、後にトルコの地域で一大帝国を築いた突厥がある。本当に人生何があるかわからないものだ。
「三国志」 趙雲
映画の紹介
三国志を代表する将軍だけにスポットを当てた映画。これまでの歴史ものとは少し視点を変え、趙雲の最後の戦いをクローズアップしている。
関羽、張飛がなき今、敵の勢いを感じながらも、体力の衰えを隠し、敵の攻勢に耐え抜かねばならない男の悲哀が良く出ていた。
しかし、ストーリーを重視したためか、史実とは離れた娯楽映画になってしまっている。乱世に生きた伝説の男趙雲“無敗の将軍”が挑む、最期の戦い。
映画データ
出演: アンディ・ラウ, マギー・Q, サモ・ハン, ヴァネス・ウー
監督: ダニエル・リー(李仁港)
香港の映画監督、脚本家
生年:1960年 香港生まれ
作品:項羽と劉邦、処刑剣、三国志他
ストーリー
戦乱の中国、絶え間ない争いによって国家は分裂されていた。
趙雲は祖国統一の夢を抱く平安と共に、蜀の名君、劉備に仕える。
西暦208年、魏の最高権力者曹操率いる大軍に攻められ、劉備の夫人と子供を見失ってしまう。
趙雲はたった1人で夫人らの救出に向かい、無事に帰参。
後に“五虎大将軍”に任命し、蜀の国に無くてはならない武将となっていった。
同年に起きた“赤壁の戦い”以降も20年間に渡り国を守り続けていた趙雲だったが、諸葛亮孔明と共に、「五丈原」での決戦に赴くこととなった辺りの話である。
映画は蜀の国家存亡の危機、もはや名誉ある引退など許されない状況に追い込まれた趙雲に最大で且つ最後の危機が訪れる。
背景と見どころ
趙雲は劉備に最も信頼された将軍で、私も好きな武将だ。この映画は史実から離れて、単に娯楽映画になってしまっている。
この種の映画は、娯楽に徹するのもいいが、もう少し史実に忠実でないとと思っている。少なくとも歴史を変えてはいけないと思うのだが・・。
常山とは今はなく、上古の中国の九つの州の一つに数えられている。具体的な区域については、『周礼』では「河内」としており、今の河北省を中心とする地域を指しているものと思われる。ヴィキペディによると「常山郡 - 河北省石家荘市にかつて中国に存在した郡。常山国とも称された。 趙雲の出身地としても名高い。」とのことである。
グリーデスティニー
映画の紹介
第73回アカデミー賞4部門(外国語映画賞/撮影賞/作曲賞/美術賞)受賞。
興奮と陶酔のマーシャルアーツ・エンタテインメント!
映画データ
出演: チョウ・ユンファ, ミシェル・ヨー, チャン・ツィイー, チャン・チェン, ラン・シャン
監督: アン・リー(李安) 台湾の外省人映画監督である。
言語: 中国語, 日本語
受賞歴: アカデミー監督賞二回、ゴールデングローブ賞 監督賞二回
生年月日: 1954年10月23日 (62歳)
中華民国 潮州鎮生まれ
学歴: イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校
受賞歴: アカデミー監督賞、 アカデミー外国語映画賞、 金獅子賞、 金熊賞
ストーリー
400年前に作られ、太古のパワーに満ちた秘剣“グリーン・デスティニー"。
その使い手として名を轟かせる英雄リー・ムーバイと、女弟子シューリン。
貴族の娘イェンと、盗賊の頭ロー。
神秘の名剣に魅せられた4人の男女の死闘、復讐、そして運命の恋・・・。
背景と見どころ
中国の奥深い山奥で繰り広げられる死闘。ワイヤーを駆使した目まぐるしい殺陣。何よりも美しい光景の中で鮮やかな色彩美で、見るものの眼を楽しませてくれる。
最初の導入の主人公のリー・ムーバイが登場する場面は中国の文化遺産の「安徽省の古民家」だし、格闘の場面でも舞台となったのが、やはり世界遺産に登録されている「土楼」だ。このような文化的背景を楽しむのも映画の醍醐味かもしれない。