google.com, pub-2132796719425109, DIRECT, f08c47fec0942fa0 心に残る中国映画セレクション100: 歴史ドラマ
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2018年7月8日日曜日

「セデック・バレ」:台湾の山岳部族の誇り高き戦い抗日暴動・霧社事件を描く

セデック・バレ

今回は台湾映画「セデック・バレ」をご紹介します。
 この映画は台湾で野蛮人とさげすまれてきた誇り高き狩猟民族の戦いを描く。長い間、文化とは自らを切り離し、台湾の山岳地帯で、「縄張り」を守って、誇り高い部族意識と優れた戦闘能力と規律ある生活を守ってきた、部族がある日突然日本軍の屈辱的な支配を受けなければならなくなったことからこの民族の悲劇が始まる。民族とは何か、誇りとは何か、人間とは何かを考えさせる映画である。

映画の紹介

セデックバレ:心に残る中国映画セレクション100”
 1930年、日本統治時代の台湾で起こった先住民セデック族による抗日暴動・霧社事件を描く。
 2011年9月に台湾で公開。台湾版アカデミー賞と言われる「台湾金馬奨」最多11部門にノミネートされ、見事グランプリを獲得し、ヴェネチア国際映画祭や大阪アジアン映画祭でも大絶賛されました。台湾史上最高の興行収入を得たというものである。



映画データ
監督 ウェイ・ダーション
脚本 ウェイ・ダーション
製作 ジョン・ウー、テレンス・チャン、ホァン・ジーミン
出演者 リン・チンタイ


ストーリー
映画のテーマ「霧社事件」のあった台湾中部の部落
赤のバルーンのあるところ
 ストーリーはぜひご自身でDVDをご覧になっていただきたい。 映画は、凄まじいほどの迫力を持ってあなたに迫ってくるだろう。
 この映画は、ちょっとした解説で済ますのではなく、映画の中に入り込んでいただきたい。それだけの値打ちがある映画だと思う。


背景と見どころ
 この映画の特筆すべき点は、徹頭徹尾 抑圧された狩猟民族セデック族の立場に立ちセデック族の側から見て、映画が作られているということだと思います。
 「野蛮人には文化教えてやるのだ、彼らの不幸な生活から開放して文明のすばらしさを享受させてやるのだ」という声が聞こえてきますが、この映画では、文化とは何か、誇りとは何か、そして外からやってきて、それを壊して自分たちの文化を押し付ける権利はあるのかなど考えさせられます。


あとがき

 これと同じような事件は後を絶ちません。少しだけ、わが身がセデックバレであったとしたらと、思いを起こしてみると容易に分かるものでは、ないでしょうか。第2次世界大戦後、日本は民族の誇りを護っているといえるでしょうか? 難しい問題ではありますが、われわれの世代で解決せねばなりません。
そのためにも是非この映画をご覧になってください。


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2017年8月4日金曜日

中国映画「1911」:ジャッキーチェンが孫文の腹心の友を演じきる

1911

「1911」とは1911年に起こった中国の辛亥革命を描いた映画の題名です。
近代中国の誕生を知るためには必見の中国映画。辛亥革命なくして、中国の現在はない。この革命によって、政治、経済、文化、ありとあらゆるものが、それまでの皇帝支配から完全に覆された。そればかりか、その余波はロシアにも及び西洋列強は革命の波及を恐れ、干渉を開始する。



映画データ
出演:ジャッキー・チェン 、 リー・ビンビン 、 ウィンストン・チャオ 、 ジョアン・チェン 、 ジェイシー・チェン(房祖名) 、 フー・ゴー 、 ニン・チン 、 ジャン・ウー 、 ユィ・シャオチュン 、 ジェイシー・チェン 、 ジャン・ウー
監督:チャン・リー


ストーリー
20世紀初頭、清王朝は一路滅亡の道をたどっていた。国はアヘン戦争で敗れ、列強の餌食と化し、国民は清朝、中国国内の豪族・軍閥の支配と西欧列強の3重の支配に苦しんでいた。太平天国の乱やその他反乱が勃発し、乱れに乱れていた。国を憂う若者たちは王朝の打倒を掲げ、各地に革命組織を結成していく。
 孫文も革命を志すが武装蜂起に失敗し、日本に亡命する。そこで黄興と出会い、同志となる。孫文は黄興と何度かの武装蜂起の後ついに清朝を倒し、辛亥革命を成就させる。


 しかし、迫り来る欧米の侵略を食い止めるため、新しく建てた政権を不動のものにせねばならない。そのため孫文は周りの反対を押し切り、軍閥の頭目である袁世凱と妥協し、袁世凱を総統に推挙する。果たして辛亥革命はどこへ行く。


背景と見どころ
 辛亥革命の陰の立役者として二人の日本人の名を上げなければならない。宮崎滔天や長崎の梅屋庄吉などである。宮崎滔天の名前は映画にも出てくるが、梅屋庄吉の名前は出てこない。彼は、現在の日本円にして1兆円にも上る援助をしたともいわれ、彼の援助なくして辛亥革命の成功はあり得なかっただろうとも言われている。

 スタンフォード大学のある教授で、「政変なり、革命の性格を見るには、金の流れを見なさい」と、金や資金が全てあるかのようなことを言うものもいるが、それは一つの側面であり、それが革命の性格を決定するものではない。資金がどこから出ていようと、その革命の担い手はどこにあるのか。その革命が達成したものは何か。といったことにかかっていることを忘れてはならない。

 この映画のみどころは、この映画がドキュメントタッチで史実を忠実に再現しようとしていることだ。それから孫文が何を考え何を思って行動したかを知ることが出来ることである。
 この映画の主役はジャッキーチェンが演じる黄興であるように宣伝されているが、商業ベースではやむをえない部分であるが、この映画の主役は「孫文」である。それは誰が演じるかなんていう問題ではない。ちょうど映画の中で孫文が「総統に誰がなるかの問題ではない」と語っているのと全く同じことが言える。逆に私はジャッキーチェンは脇役を見事に演じきったことが、この映画ももう一つの見所だと思う。そこを見失うとこの映画の真価が見えなくなってしまう。 



辛亥革命についての詳しい説明は 【中国百科ノート 歴史編「辛亥革命】 ☜ こちらをクリックしてください
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2017年6月19日月曜日

モンゴル人が描くジンギス汗のモンゴル統一の戦いを描く「モンゴル」

モンゴル

映画の紹介
  中国百科映画館がおすすめする中国映画ではない「モンゴル」・・日本人のたち位置が分かる!


本年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。 史上最強の統率者チンギス・ハーンの、知られざる半生を描いたスペクタクル超大作。

 この映画の時代は、日本で言えばちょうど鎌倉幕府が誕生した時代に相当する。
 この映画の舞台となったモンゴル平原とゴビ砂漠と日本の自然との違い。義経がジンギスハンになったという伝説もあるが、この映画を見ればそれが如何にあり得ないことかわかるのではないか。
 美しい自然に恵まれた日本人はどうしてあの荒ぶる大自然と荒ぶる民の中に生きることが出来ようか。
 この映画は、日本人の立ち位置は如何にあるべきかを知らしめるよき教材になった。






映画データ
浅野忠信/スン・ホンレイ/クーラン・チュラン
監督・脚本・製作:セルゲイ・ボドロフ

ストーリー
  未だこの世が暴力と暴虐に支配されていた時代、モンゴルでは多くの部族がその覇を求めてせめぎあっていた。その一部族の頭領の息子として生まれたテムジンを待ち受けていたのは、父親の毒殺、背信、そして異国で奴隷として獄につながれるという過酷な試練。
 しかし、彼の不屈の闘志はその試練を撥ね退け、さらわれた妻とその子を救い出し、他部族の子にも拘らず、自分の子として育てる。彼はやがて、寛容と包容力で次第に部族を統合し統率者として任じていく。
 この世に二人の覇者は要らない。義兄弟にして宿敵の勇士ジャムと覇を決する戦いで相見えることとなる。
 ジャムとの戦いでハーンとなった男はジンギスハーンとして、更なる世界制覇の道に押し出されてくる。



背景と見どころ
 この映画の中で度々繰り返される会話。「モンゴル人は○○じゃないの?」「俺は違う!」この常識にとらわれない、強烈な個性が、かれをモンゴル大帝国のハーンへと導いたのではないか。勿論今ではこの価値観、世界観は通用するものではない。では今ではどういう世界観が要求されるのだろうか。
 それは、「世界全体を見渡した上で、色々の価値観を相互に認め合い、相手を納得させる寛容と説得力」ということになるだろうか? 余りにきれいごとかもしれないが、しかし今では互いに我を張り合っていたのでは、世界は滅亡してしまうような気がする。
 人間は既に地球を余裕のない状態にまで持っていってしまっている。人間よ賢くなれ!


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