「花様年華」
成熟した中国映画の渋さを見せ付ける秀作。返還前の香港の浮世に漂う大人の男女の愛情は、「一線を越えた越えない」といった薄っぺらな話ではない。
映画の紹介
「四十にして不惑」という言葉があるが、この映画は、まさしく不惑と煩悩との間をさまよう、渋い男と女の物語だ。そして、彼らは最後は不惑の世界に留まり、それぞれの道を何事もなかったかのように歩みだすことだろう。誰でもこうありたいと思うが、なかなかそうはいかないのが人生。この映画を一言で表せといわれたら「渋い」。それ以外の言葉は見つからない。
映画データ
出演: トニー・レオン, マギー・チャン, スー・ピンラン, レベッカ・パン, ライ・チン
監督: ウォン・カーウァイ(王家卫)
略歴:1958年、上海に生まる。5歳で香港に移住。
香港理工学院入学、グラフィック・デザイン(専攻)
その後映画の脚本家を経て監督。
ストーリー
1962年、香港。
新聞社の編集者であるチャウと商社で秘書として働くチャン夫人。
二人は同じアパートに同じ日に引っ越して来る。
やがて、二人は互いの伴侶が不倫関係にあることに気付き、秘密の時間を共有していく…。
背景と見どころ
この映画の題名「花様年華」は「花のようなきれいな時期」の意味で、「青春時代」を指す場合が多いということだが、青春というには少しトウが立ちすぎている気がするのだが・・。
この映画の舞台設定は、1966年、香港。このころの香港といえば、中国への返還を控え、市民レベルでも、自分達の将来を見据え、どう動くべきかを見極めようとしていた時だ。映画の中にも、主人公のアパートの女主人がアメリカの娘の下へ行くという会話やシンガポールへの移住の話、みんな出て行くという会話の中にも出ている。当たり前かもしれないが、誰も中国に返還されるのだということを現実に感じていないようなところがある。中国はこのころは未だ文化大革命の真っ最中だった時代。
映画ではある種の閉塞感が全体に醸しだされていた。これも時代を反映した作品であった。
映画の紹介
花様年華 |
映画データ
出演: トニー・レオン, マギー・チャン, スー・ピンラン, レベッカ・パン, ライ・チン
監督: ウォン・カーウァイ(王家卫)
略歴:1958年、上海に生まる。5歳で香港に移住。
香港理工学院入学、グラフィック・デザイン(専攻)
その後映画の脚本家を経て監督。
■ウォン・カーウァイ監督の作品
1988年、「いますぐ抱きしめたい」で監督デビュー。
1990年代、「欲望の翼」「恋する惑星」「天使の涙」などの青春群像劇を独特の語り口調と個性的な映像美で注目を集める。
2000年、「花様年華」
2000年代~「2046」「グランドマスター」など。
ストーリー
1962年、香港。
新聞社の編集者であるチャウと商社で秘書として働くチャン夫人。
二人は同じアパートに同じ日に引っ越して来る。
やがて、二人は互いの伴侶が不倫関係にあることに気付き、秘密の時間を共有していく…。
背景と見どころ
この映画の題名「花様年華」は「花のようなきれいな時期」の意味で、「青春時代」を指す場合が多いということだが、青春というには少しトウが立ちすぎている気がするのだが・・。
この映画の舞台設定は、1966年、香港。このころの香港といえば、中国への返還を控え、市民レベルでも、自分達の将来を見据え、どう動くべきかを見極めようとしていた時だ。映画の中にも、主人公のアパートの女主人がアメリカの娘の下へ行くという会話やシンガポールへの移住の話、みんな出て行くという会話の中にも出ている。当たり前かもしれないが、誰も中国に返還されるのだということを現実に感じていないようなところがある。中国はこのころは未だ文化大革命の真っ最中だった時代。
映画ではある種の閉塞感が全体に醸しだされていた。これも時代を反映した作品であった。
中国百科映画館のホームページに戻ります。
|
0 件のコメント:
コメントを投稿