google.com, pub-2132796719425109, DIRECT, f08c47fec0942fa0 心に残る中国映画セレクション100: ウォン・カーウァイ
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2017年7月20日木曜日

伝説の武闘家イップマンをモデルにトニーレオン主演「グランドマスター」

グランドマスター

映画の紹介
日清戦争に敗れ、辛亥革命をへて、国の形も定まらぬ時に、日本の侵略を受け、満身創痍の中にあって、様々な思惑と欲望が渦巻く中国の中で格闘家たちはいかに時代に係っていったかを描くエンターテインメント超大作!

「人生には3つの段階がある。」とは、この映画のテーマであるイップマンの師匠が言った言葉だ。カンフー映画ではあるが、哲学的な映画だ。

  1. 己を知ること
  2. 世の中を知ること
  3. 人生を知ること
映画データ
出演: トニー・レオン, チャン・ツィイー, チャン・チェン, マックス・チャン, ソン・ヘギョ
監督: ウォン・カーウァイ
言語: 中国語
字幕: 日本語
ディスク枚数: 1
販売元: 松竹
発売日 2013/12/05
時間: 123 分


ストーリー
 世界を呑みこむ戦争の足音が、刻一刻と迫る1930年台の中国。北の八卦掌(はっけしょう)の宗師であるゴン・パオセンは引退を決意し、その地位と生涯をかけた武闘家の南北統一の使命を譲る後継者を探していた。

 物語は、この後継者の選別の場面から始まる。そして、その跡目争いに、日中戦争の勃発も絡み、舞台は香港の郊外広東省佛山から広州、さらに香港、北京、奉天へと広がる。
 候補は一番弟子のマーサンと南の詠春拳(えいしゅんけん)の宗師・葉問(イップマン)。パオセンの娘で、奥義六十四手をただ一人受け継ぐゴン・ルオメイに絞られる。
だが、日本軍と手を結び中国全土に覇権を広げようとするマーサンがパオセンを殺害。ルオメイはイップマンへの想いも、父の望みも捨て、仇討ちを誓う。
 ひたすらあだ討ちに突き進むルオメイと抗日ではあるが、政治活動に距離をおきカンフーの頂点を目指そうとするイップマンは結局別々の道に。一方、八極拳(はっきょくけん)を極め、一線天(カミソリ)と呼ばれる謎の男も、一匹狼として巷をさまよう。それぞれの格闘家の生き様はいかに?


    映画は、これら4人の格闘家の生き様にその時代の流れを乗せて進んでいく。
  1. ゴン・パオセン :清朝末にカンフーの頂点に立った男ではあるが、時代の移り変わりを見据え自らは身を引き、若き後継者に道を譲ろうとする。いわば古い時代の象徴。
  2. イップマン:混乱期にカンフーの宗師を任ずることになるが、政治的な動向から一線を画し、ひたすら格闘技に埋没する。しかし、民衆の立場には立ち続けようとする。
  3. マーサン:一度は宗師から後継者と指名されるものの、野望と野心から日本軍と手を結び、日本軍の手先に身を落としていく。最後はルオメイに敗れ、中国制覇も潰えていく。
  4. ルオメイ:父の直伝の技を極めるものの、あだ討ちのみを追求したために、その目的が果たされた後は、人生の目標を失い、アヘンに身をやつしていく。弱き大衆を体現している。
  5. 一線天(カミソリ): 確かな技を持つものの、その技を生かすことなく、一匹狼として時代に埋没してしまう。

背景と見どころ
武闘映画にありがちなワイアリングを多用した場面は余りなく、派手な立ち回りで見せ場を作るのではなく、むしろカンフーの技をできるだけ忠実に再現しようとしている。



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2017年6月25日日曜日

返還前の閉塞感漂う香港で苦しむチンピラの純愛を描く中国映画「いますぐ抱きしめたい」

いますぐ抱きしめたい

映画の紹介
私がおすすめするのは、「いますぐ抱きしめたい」だ。最初は題からどんなかわいい映画かなと思ったら、中身は「やんちゃ」な映画だと感じた。しかし、はやり面白かった。最初は、この「抱きしめたい」というのは,誰を抱きしめたかったのか?はっきりしなかった。

 しかし、原題が「旺角卡門」(オウカクのカルメン)であることを知って、映画の意図と監督の云いたいことが何かを読み取ることが出来た。
 これは単なる、街のチンピラの恋と暴力を描いたものとは違い、イギリスの植民地の中の閉ざされた租界「旺角」の中の民衆のやりきれない閉塞感を代弁したものだ。
 香港映画界の鬼才、ウォン・カーウァイの監督デビュー作。
 キャッチフレーズは「香港の暗黒街に生きる青年の姿を独自の映像感覚で切り取った痛切なラブストーリー。」であるが、この話に終わらせてはいけない気がする。アンディ・ラウ、マギー・チャンが共演。



映画データ
原題:旺角(英語読み:モンコク)卡門(日本語の意味は、モンコクのカルメン)
ジャンル :ロマンス, ドラマ, アジアの映画
主演 : アンディ・ラウ, マギー・チャン, ジャッキー・チュン, アレックス・マン
監督 : ウォン・カーウァイ (王家卫)
言語: 広東語
字幕: 日本語
製作:1988年
時間: 99 分

ウォン・カーウァイについて
簡体字 王家卫(因みにこの漢字の読みは中国語の北京語によるものではなく、広東語の発音である)
出身地 中国香港
生誕 1958年7月17日 中国上海
職業 映画監督、脚本家
活動期間 1982– 
略歴 中国・上海出身、五歳のときに香港に移住。香港理工学院へ入学、グラフィック・デザインを学ぶ。卒業後テレビの現場を経て、脚本家として映画界にデビューした。

ストーリー
 香港の大繁華街モンコクに住む従兄アンディを訪ねたマギーは、ギャング組織を抜け出せずに、すさんだ生活を送っている彼に反発しながらも、心ひかれるものを感じていく。
 度重なる抗争に嫌気が差していた彼もまた、彼女のもとに身を寄せるように。しかし彼は、弟分ジャッキーの危機を知り、ジャッキーを思い留まらせようとある思いを秘めて、再び暗黒街へと向かった…。



背景と見どころ
 この映画が作られたのは1988年で、香港返還前である。この時は香港島と半島ともにイギリスの疎開地であったが、この映画の舞台となった地区は、当時の警察権も及ばない無法地帯であった。
 この映画はこの特殊な界隈の危険な状況を良く描き出していると同時に、その暗黒街の泥の中に生きる青年のうめき声が聞こえてくるようだ。