google.com, pub-2132796719425109, DIRECT, f08c47fec0942fa0 心に残る中国映画セレクション100

2025年5月3日土曜日

『ラストエンペラー』でたどる溥儀の激動の人生と歴史的背景

『ラストエンペラー』でたどる溥儀の激動の人生と歴史的背景

映画『ラストエンペラー』は、清朝最後の皇帝・溥儀の波乱の生涯を壮大なスケールで描いた歴史ドラマです。故宮での即位、退位、日本との関係、戦後の裁判と再出発…。中国の激動の時代背景とともに、彼の人生の軌跡を通して、歴史のうねりを追体験できます。この映画を通じて、20世紀中国の深層に触れてみませんか?



心に残る中国映画セレクション100がこれはいいという中国の映画を探しておすすめするサイトです。
今回は一度は見ておきたい中国映画「ラストエンペラー」をお贈りします。


映画『ラストエンペラー』とは?

映画「ラストエンペラー」より
 1987年に公開された映画『ラストエンペラー』は、清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)の激動の人生を描いた歴史大作です。監督はイタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ、主演はジョン・ローンが務め、音楽には坂本龍一、デヴィッド・バーンらが参加するなど、国際色豊かな制作陣が話題を呼びました。
 本作は、溥儀が3歳で皇帝に即位し、やがて中華民国の成立により退位、その後、日本の傀儡国家・満州国の皇帝として擁立され、最終的に戦後の改革を経て一市民として生涯を終えるまでの波乱の軌跡をたどります。北京紫禁城(故宮)でのロケを実現した初の西側映画としても知られ、豪華な宮廷美術やリアルな歴史描写が高く評価されました。

 アカデミー賞では作品賞を含む9部門を受賞し、世界的に高い評価を得た本作は、単なる伝記映画を超え、20世紀中国の大きな変動を体感できる映像遺産ともいえる一本です。



なぜ今この映画なのか?


 『ラストエンペラー』は1987年の作品ながら、その問いかけは今なお色あせません。近代中国の激動を生きたラストエンペラー・溥儀の人生を通じて、帝政から辛亥革命を経て共和制、戦争と占領、民主主義革命という巨大な歴史のうねりが個人にどう影響を与えるのかが丁寧に描かれています。
 現代の私たちが、今この激動の社会の中にあって、国や時代が目まぐるしく変わろうとしている変化にどう向き合うか、個人として何を大切に生きるかという問いを静かに突きつけてくる作品でもあります。中国という国家を知る入り口として、また「歴史に翻弄された人間の物語」として、今だからこそ観る価値のある映画といえるでしょう。




作品情報・基本データ

  • 公開年:1987年
  • 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
  • キャスト:ジョン・ローン、ジョアン・チェン、チェン・ペイペイ ほか
  • ジャンル:歴史ドラマ
  • 視聴可能プラットフォーム:Amazon Prime Video、Disney+ 等

監督・キャスト・受賞歴



撮影地と制作の背景|映画『ラストエンペラー』

 1987年に公開された映画『ラストエンペラー』は、史実に忠実かつ壮大なスケールで描かれた歴史ドラマとして高く評価されました。
 そのリアリティを支えた大きな要素が、実際の歴史的ロケ地での撮影と、国際共同制作による豊かな視点です。

故宮での歴史的ロケ撮影

本作の最大の特徴は、中国・北京の故宮(紫禁城)で初めて全面的に映画撮影が許可された作品であることです。
 清朝の宮廷生活を再現するにあたり、溥儀が実際に幼少期を過ごした場所で撮影されたことは、映画の臨場感と説得力を圧倒的に高めています。

ラストエンペラー 紫禁城
  故宮での撮影は、当時の中国政府と長期間の交渉を経てようやく実現されました。1,000人以上のエキストラ、数百着に及ぶ時代衣装、そして大規模な再現セットが、壮麗で荘厳な映像を支えています。

異国の地と複数の時代

溥儀の人生は北京だけでは語れません。作品中では、天津の租界、日本統治下の満洲(長春)、そして戦後の撫順戦犯管理所など、多くのロケーションが再現されています。実際の撮影では、中国国内だけでなく、イタリア・トリノの宮殿や庭園も使用され、彼の孤独や疎外感を象徴的に表現しています。

国際共同制作の意義

  本作は、イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督と、イギリス・中国の合作という形で制作されました。欧米の監督が中国の皇帝を描くという前例のない挑戦でしたが、それがむしろ、東洋と西洋の視点を交錯させた深い人間ドラマを生み出す契機となりました。
  脚本は中国の歴史と西洋の人間主義を織り交ぜる構成となっており、音楽には坂本龍一が参加。アジアとヨーロッパの文化的融合が、作品の芸術性と普遍性を一層引き立てています。

映像が語る「真実」への接近

  『ラストエンペラー』は、実際の歴史的舞台で撮影されただけでなく、演出や構図、光の使い方までもが「記憶と時間の流れ」を表現する手段となっています。撮影地の選定とその背景にある物語は、映像の背後にもう一つの「現実」を観客に届けてくれます。


物語のあらすじ(ネタバレなし)

 1950年、満州国戦犯として中国本土に護送された元満州皇帝溥儀は、護送中に手首を切って自殺を図る。薄れゆく意識の中、彼の半生の記憶がまざまざとよみがえる-。1908年、死期の迫った西太后によって皇帝に任命されたわずか3歳の溥儀は、1000人もの宦官にかしずかれて昔から続く皇帝の生活を送ることに。14歳になった彼は、イギリスから遣わされた家庭教師ジョンストンによって世界に目を向けるようになるが…。
(c)Recorded Picture Company


溥儀という人物を知る

『ラストエンペラー』:最後の皇帝・溥儀を跡付ける

溥儀と醇親王に抱かれる溥傑
(1909年)溥儀(右)と
醇親王に抱かれる
溥傑

 宣統帝愛新覚羅 溥儀は1906年2月7日、醇親王載灃の子として直隷省順天府(現:北京市)に生まれる。
 中華圏最後の皇帝であり、その生涯を題材にした映画から『ラストエンペラー』として知られる。幼帝として2歳で清朝第12代皇帝に即位し、元号から宣統帝と称される。

 

歴史上の溥儀とは

 溥儀(ふぎ)は、清朝第12代、最後の皇帝として、1906年に生まれ、1908年、わずか2歳で即位しました。これは、光緒帝の死後に西太后の強い意向により決まったもので、幼い溥儀は即位したものの、実際の政治権限はありませんでした。

 1912年、辛亥革命により清朝が崩壊し、溥儀は退位を余儀なくされますが、その後もしばらくは紫禁城に居住し、「上皇」として象徴的な地位にとどまっていました。
 


満州国皇帝・溥儀
『ラストエンペラー』
満州国皇帝・溥儀

 1924年に紫禁城を追われると、天津の日本租界での生活を経て、満洲国建国(1932年)に際して日本の傀儡皇帝として再び即位します。これは「執政」→「皇帝」という形で形式的に行われたもので、実質的な権力は日本側にありました。

 終戦後はソ連に抑留され、1950年に中国へ引き渡されたのち、撫順戦犯管理所で10年間の「再教育」を受け、1959年に特赦を受けて出所。晩年は普通の市民として北京で暮らし、1967年に亡くなりました。

   彼の人生は、中国近代史そのものの激動を体現しており、皇帝から戦犯、市民へと身分が劇的に変わった希有な人物として知られています。

溥儀の弟・溥傑とその妻・嵯峨浩
溥傑とその妻・嵯峨浩

 ここで、溥傑が苦難の中にあっても彼を支え続けた1歳2か月下の弟溥傑の名前を挙げなければならないと思います。溥儀と溥傑の絆は溥儀が満州国皇帝になって、溥傑が兄の溥儀の執政を支えるようになってから特に深まったと考えられます。
 しかしこの二人の人生は、そのころから急速に暗転し、戦争に巻き込まれていくことになります。特に日本が太平洋戦争に敗れてからは溥儀は皇帝の座を追われ、溥傑も兄の溥儀と共に、戦争犯罪者として収容所生活を送ることになります。
 このように目まぐるしく状況の変化する中で、ともすれば人間性を失いかねない環境の中でも、溥儀がそれなりの矜持を保ち、人間の尊厳を失うことなく居られたのは、溥傑が兄の溥儀の近くにいて支え続けたからと云えましょう。

 最後に溥儀が活動した舞台を特設ページで少し紹介できるようにしましたので、ご覧になってください。
 詳しい説明は 【特設ページ】 ☜ こちらをクリックしてください


映画との違いと考察

 映画『ラストエンペラー』は、溥儀の人生を全体的に丁寧に描いていますが、**あくまで映画的演出を加えた「人物像の再構成」**であることにも注意が必要です。

 たとえば、紫禁城での少年期の孤独感や無力感は非常に強調されていますが、史実では、溥儀は学問や西洋文化にも興味を持ち、イギリス人教師ジョンストンとの交流を通じて一定の知識と視野を育んでいました。また、満洲国時代の描写についても、映画では溥儀がほぼ無力な傀儡として描かれていますが、実際には内部である程度の抵抗や主張を試みた記録もあり、完全な「操り人形」だったとは言い切れません。

 一方で、映画が映像美や象徴的な演出を通じて描こうとしたのは、**「帝王として生まれながら、時代の波に翻弄された一人の人間の悲哀」**であり、事実の再現だけでなく、観る者に人間としての溥儀の苦悩を感じさせることに重きを置いています。
 
 このように、映画と史実の間には差異がありますが、それは単なる事実誤認ではなく、むしろ溥儀という人物の「心象風景」を伝えるための映像的選択だったとも言えるでしょう。



感想と考察:現代に響くテーマ

 
 『ラストエンペラー』が語るのは、ただ一人の皇帝の人生ではなく、「時代の流れに翻弄される個人」の物語です。誕生とともに運命づけられ、望まぬままに帝位に就き、その後の激動の歴史の中で「象徴」から「傀儡」へ、そして「市民」へと姿を変えていく溥儀の人生には、私たちにも通じる問いが含まれています。
 自分の人生を、自分の意志で生きるとはどういうことか。
 時代や社会に流される中で、個人はどうすれば尊厳を保てるのか。
 彼の人生には正解も勝者もありません。ただ、変化を受け入れ、矛盾に満ちた環境の中で懸命に生きた一人の人間の姿があるだけです。だからこそ、どこか心に残り、ふとしたときに思い返す映画なのかもしれません。




こんな人におすすめ


  • 歴史映画が好きで、実在の人物を題材にした作品に興味がある人
  • 中国の近代史や清朝、満洲国に関心がある人一人の人物の内面と時代の交差点に魅力を感じる人
  • 派手なアクションよりも、静かで重厚なドラマを好む人
     映像美や美術・衣装に惹かれる人『ラストエンペラー』は、映画を通して歴史や人間の複雑さをじっくり味わいたい方にぴったりの作品です。
  • 歴史映画が好きで、実在の人物を題材にした作品に興味がある人


関連作品と次に観たい映画


この映画を観たあとにぜひ続けて観ていただきたいのは、以下のような作品です。 
  • 『始皇帝暗殺』(1999)
    → 秦の始皇帝と暗殺者・荊軻の緊張感あふれる駆け引きを描いた歴史大作。王と刺客、それぞれの立場の重みを問う。
  • 『英雄(HERO)』(2002)
    → 権力と犠牲、平和の代償を問いかけるアート性の高い歴史アクション。ラストエンペラーと同じく、映像の美しさも見逃がせない。






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2025年4月27日日曜日

新喜劇王(2019)|チャウ・シンチーが描く笑いと涙の感動作【レビュー・感想】

新喜劇王(2019)|チャウ・シンチーが描く笑いと涙の感動作【レビュー・感想】

心に残る中国映画セレクション100がお贈りする中国コメディ:新喜劇王。スターを夢見る売れない俳優・尹天仇(チャウ・シンチー)が、エキストラとして生計を立てながらも夢を追い続ける姿を描いた人情コメディ。笑いの中に、夢を諦めない切なさと温かさが溢れる一作です。



これはいいという中国の映画を探しておすすめするサイト「心に残る中国映画セレクション100」がお贈りする中国映画「喜劇王」をお贈りします。

映画『新喜劇王』とは:映画の紹介


新喜劇王 ポスター
 スターを夢見る売れない俳優・尹天仇(チャウ・シンチー)が、エキストラとして生計を立てながらも夢を追い続ける姿を描いた人情コメディ。笑いの中に、夢を諦めない切なさと温かさが溢れる一作です。さらに、この映画によって、チャウ・シンチーは新喜劇王としての評価を不動のものにします。


映画『新喜劇王』データ

監督: チャウ・シンチー、リー・リクチー

主演: チャウ・シンチー、セシリア・チャン

ジャンル: コメディ/ヒューマンドラマ



1時間30分 2020 X-Ray


映画『新喜劇王』のストーリー
 エキストラを続けながら映画女優を目指すモンは、役作りのプチ整形顔がスタッフの目に止まり、スター俳優マー主演の超大作『白雪姫 血のチャイナタウン』に抜擢される。だがマーは過去の栄光にすがる落ちぶれ俳優だった。最悪の出会いは二人の人生を変えられるのか...


感動ポイント|夢を諦めない主人公の姿


 チャウ・シンチーが自らの俳優人生を重ねたようなリアルな演技。単なるコメディではなく、「人が夢を追うとは何か」をじんわりと描いています。そして見逃してはならないのは両親です。娘がどんなに売れていなくても、ただひたすら娘を信じ陰ながら見守る。その姿にも泣かされます。

チャウ・シンチー作品としての位置づけ

チャウ・シンチー監督少林サッカー
少林サッカー
チャウ・シンチーが監督・出演した最新映画作品には以下のものがあります。
チャウ・シンチー映画の作風をお楽しみください。
  • 少林サッカー。:はみ出し者のチームが武術とサッカーを融合して優勝を目指す、爆笑と仰天のコメディー。常識破りな戦法を駆使し、恐るべきデビルチームとの頂上決戦に挑む。

  • カンフーハッスル。:悪の横行する時代、強さに憧れるチンピラが一人。その男の名はシン。彼の夢は冷酷無情なギャング団"斧頭会"に入ること。ある日、悪事を働こうと"豚小屋砦"なるアパートに目をつけるが、なんと住人は・・・!

  • ファイト・バック・トゥ・スクール:特殊部隊の指揮官であるシンシンは、男子校に潜入した。
     シンシンは密売組織に誤って人質にされたダッワーを救出、休日の学校に逃げ込んだが、そこには学園祭の準備をするホーや生徒たちがいた。果たしてシンシンは皆を守れるのか?

  • ミラクル7号:小学生のデッキーと工事現場で働く父のティーは、いまどき珍しいほどの超ビンボー親子。・・そんなある日、ゴミ捨て場から謎の物体をティーが拾ってきた。ディッキーの暮らしに変化が訪れる。
     それは予想以上に「使えねー」地球外生命体=ミラクル7号だった。次第に家族のような絆が芽生え始めた時、この親子に最大のピンチが迫りくる・・・!



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2025年4月26日土曜日

グレートウォール(字幕版):心に残る中国映画セレクション100が贈るアクションドラマ

 グレートウォール:心に残る中国映画セレクション100がおくる手に汗握る一大スペクタル

万里の長城を舞台に繰り広げられる饕餮(とうてつ)と呼ばれる謎の生物との死闘。饕餮とは中国の神話に出てくる怪物 あるいは霊獣 の一つである。トウテツとは「饕」は 財産 を貪る、「餮」は 食物 を貪ると伝えられ、人間の業を戒めるために神から送られてきたといわれる。
中国映画のDVD「グレートウォール」を観ました。娯楽映画でした。
これはいいという中国の映画を探して心に残る中国映画セレクション100が一大アクション「グレートウォール(字幕版)」をお贈りします。

映画の紹介
万里の長城を舞台に繰り広げられる饕餮(とうてつ)と呼ばれる謎の生物との死闘。饕餮とは中国の神話に出てくる怪物 あるいは霊獣 の一つである。
 体は 牛 か 羊 で、曲がった 角 、 虎 の 牙 、 人 の 爪 、人の 顔 などを持つ。 饕餮の「饕」は 財産 を貪る、「餮」は 食物 を貪るの意である。

グレートウォール

映画データ
監督:チャン・イーモウ
プロデューサー: トーマス・タル, チャールズ・ローヴェン, ジョン・ジャシュニ, ピーター・ロア
出演者: マット・デイモン, ジン・ティエン, ル - ペドロ・パスカル, ウィレム・デフォー, アンディ・ラウ
提供: Universal Pictures



ストーリー
饕餮・トウテツ
トウテツ
 金や名声のため、強力な武器を求めて世界中を旅する男、ウィリアム(マット・デイモン)。 彼はたどり着いた万里の長城で、巨大な地響きとともに圧倒的な数で迫りくる謎の生物に遭遇する。 それは、饕餮(とうてつ)と呼ばれる、人間の欲深さを罰するために60年に一度現れる伝説の怪物であり、万里の長城が築かれた最大の要因だった。ウィリアムはこの謎の生物との果てしない戦いに嵌まり込む。はたして彼の運命や如何に?
背景と見どころ
背景は特にない。徹底した娯楽映画に仕立てられている。万里の長城を舞台にスケールの大きい物語で、アメリカ人好みの話で、夥しいエキストラと大変な金をつぎ込んだことはよくわかる。




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中国映画来歴:心に残る中国映画セレクション100 

中国映画来歴

 心に残る中国映画セレクション100

  チャン・ツィイー(章子怡)から陳 可辛(ピーター・チャン)監督

チャン・ツィイー(章子怡)

チャン・ツィイー
1996年のテレビドラマ『星に願いを〜星星点灯』(放送時は『蛍火』)で女優デビュー
 1999年のチャン・イーモウ監督の『初恋のきた道』で映画初出演にして主演を務め、ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞と百花奨最優秀主演女優賞受賞
 
1996年にテレビドラマ『星に願いを〜星星点灯』(放送時は『蛍火』)の主役で女優としてデビュー。
 1999年にチャン・イーモウ監督の『初恋のきた道』で語り手である青年の母の少女時代(この映画の主人公)を演じ、映画初出演を果たす。
 この作品が第50回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したことから、脚光を浴びるようになる。また同作で百花奨最優秀主演女優賞を受賞した。


中国の第6世代監督 - 中国国際放送局
japanese.cri.cn/134/2008/04/12/1@115839.htm
第6世代
中国に映画が持ち込まれたのは1896年のことでした。以後、上海を中心に中国映画が作られるようになり、1930年代、中国映画は最初の黄金期を迎えます。

  1. 当時はまだ無声映画でしたが、この1930年代を中心とした時期が「第1世代」。
  2. その後に続くトーキー映画の時代が「第2世代」。
  3. 中華人民共和国成立後1950年代にかけてが「第3世代」。
  4. 文化大革命から80年代にかけてが「第4世代」
  5. 80年代から90年代が「第5世代」
  6. 90年代以降が「第6世代」となります。


「第5世代」と「第6世代」

 その世代ごとに大きな特徴があると言われていますが、ここでは「第5世代」と「第6世代」を比較してみましょう。
「第5世代」を代表する監督に、日本でもおなじみのチェン・カイコーやチャン・イーモウがいます。この世代は、文化大革命後の教育を受けた世代。初期は国家の資金をもとに新しい実験的な試みを行い、中国映画を大きく変えた世代です。「第5世代」の監督達はニューウェーブとして国際的にも大きく注目され、海外の映画市場にもどんどん参入していきました。しかし、海外市場を狙いすぎたせいか、逆に中国国内では親近感を得ることができなかった部分もあります。一方、それを受けて登場してくるのが、主に1960年代生まれで、90年代以降に頭角を現してきた「第6世代」の監督達です。
90年代は、中国社会の改革が一層進んだことで、さまざまな社会矛盾が現れ始めた時期です。そんな中、社会の底辺で苦悩する人々の姿を描く、身近な題材をモチーフにした作品が増えてきます。また、パソコンやビデオカメラなどの普及で、家庭用ビデオカメラがあれば、誰でも映画を撮ることができるようになった時代でもあります。スポンサーをつけなくても、自分で脚本を書いて、自分で撮影・編集するインディーズ監督が現れ始めます。その世代を代表するのが、ロウ・イエ、チャン・ユアン、ジャ・ジャンクー、そしてワン・シャオシュアイです。この世代は、決して派手さはありませんが、淡々と人間の心理を描いた個性的な作品が多いのが特徴だと思います。「第6世代」の監督の作品は、海外の映画祭などでも注目度が高く、日本でも多く上映されています。機会があれば、ぜひご注目ください。


ピーター・チャン
ピーター・チャン

陳 可辛(ピーター・チャン、英: Peter Chan、1962年 - )は、映画監督、プロデューサー。イギリス領香港で生まれ、タイで育
来歴
 両親はタイの華人だが、香港で生まれ、8歳のときに家族でタイへ移った。父は映画監督・映画プロデューサーの陳銅民で、1977年には胴民が製作・監督し、千葉真一が主演した日本・香港・タイの合作映画『激殺! 邪道拳』に、主人公を慕う少年役で出演。18歳でアメリカ合衆国へ渡り、21歳で香港に戻った。
初めて映画に触れたのはタイ語の字幕でジョン・ウーの作品だったという。

 その後、ゴールデン・ハーベストに入り助監督を務め、1990年代初頭にはUFO電影公司に加わり、1991年の初監督作品『愛という名のもとに』が高評価を得た。その後も『君さえいれば/金枝玉葉』『ラヴソング』など現代人の愛情を題材にした作品を数多く生み出している。1999年には、ドリームワークスから『ラブレター/誰かが私に恋してる?』を制作した。2000年以降は多国籍の合作によるアジア映画を多く世に出している。

 『ラヴソング』は第16回香港電影金像奨で最優秀作品賞など9部門で受賞し、本人も最優秀監督賞を受賞した。また、第34回金馬奨でも最優秀作品賞を受賞している。2006年には『ウィンター・ソング』で第43回金馬奨の最優秀監督賞を受賞したが、本人は北京にいて授賞式に臨めず、サンドラ・ンが代理として賞を受けている。2008年には『ウォーロード/男たちの誓い』で第27回香港電影金像奨の最優秀作品賞・最優秀監督賞と第45回金馬奨の最優秀作品賞・最優秀監督賞を受賞している。

 金城武とは4作品でタッグを組んでいるが、監督した『君さえいれば/金枝玉葉』(1994年)の上映館の隣で、ウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』(1994年)が上映されており、そこで出演していた金城武を「発見」し、「これまでに見た若手俳優の中で、心を動かされたのは彼だけ」と、運命を感じたことを明かしている[1]。

作品
※斜体表記は原題もしくは訳題
監督
愛という名のもとに 双城故事 (1991年)
風塵三侠 (1992年) 月夜の願い 新難兄難弟 (1993年)
君さえいれば/金枝玉葉 金枝玉葉 (1994年)
麻麻帆帆 (1996年) ボクらはいつも恋してる! 金枝玉葉2 金枝玉葉2 (1996年)
ラヴソング 甜蜜蜜(1996年) ラブレター/誰かが私に恋してる? The Love Letter (1999年)
THREE/臨死「going home」 三更 - 回家 (2002年) 1:99 電影行動 1:99 電影行動 (2003年) ウィンター・ソング 如果・愛 (2005年)
ウォーロード/男たちの誓い 投名状 (2007年)
捜査官X 武侠 (2011年)
アメリカン・ドリーム・イン・チャイナ 中國合伙人 (2013年)※2013東京/沖縄・中国映画週間で上映。
最愛の子 親愛的 (2014年)
中国女子バレー 奪冠 (2020年)※第16回大阪アジアン映画祭で上映。 製作・製作総指揮 ソルジャー・ドッグス 英雄無涙 (1986年) 実録・美女皮剥魔/シリアルキラー 廣州殺人王之人皮日記 (1995年) 春の日は過ぎゆく 봄날은 간다 (2001年) ジャンダラ Jan Dara (2001年) the EYE 【アイ】 見鬼 (2002年) THREE/臨死 三更 (2002年) the EYE 2 見鬼2 (2004年) 美しい夜、残酷な朝 三更2 (2004年) the EYE 3 見鬼10 (2005年) プロテージ/偽りの絆 門徒 (2007年) 追憶の切符 車票 (2008年) アイズ The Eye (2008年)
孫文の義士団

十月圍城 (2010年)
フライング・ギロチン 血滴子 (2012年) 恋するシェフの最強レシピ 喜欢·你 (2017年) チィファの手紙 你好、之華 (2018年)

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2025年4月25日金曜日

英雄 ~HERO~(字幕版):心に残る中国映画セレクション100


英雄 ~HERO~(字幕版):心に残る中国映画セレクション100

OSCAR®にノミネートされた、壮大な視覚美と武侠ドラマの粋を極める一作。


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今回は話題の中国映画「英雄」をお贈りします。


映画の紹介
英雄
名前は無名(ウーミン)。秦の小さな村の官吏。特技:十歩必殺―十歩の距離であればどんな相手でも一撃のもとに倒すことのできる剣術。
 中国全土で最強といわれる3人の刺客を倒し、秦の始皇帝に謁見を許された。そして彼が話し始めたのは、誰の想像をも超えた物語だった。
 (C) 2002 Elite Group Enterprises, Inc. All Rights Reserved. Artwork and Design (C) 2003 Elite Group Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
1時間38分
2003
X-Ray G



映画データ
  • 公開年:2002年
  • 監督:チャン・イーモウ(張芸謀)
  • キャスト:ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイー
  • ジャンル:歴史アクション
  • 視聴可能プラットフォーム:Netflix、Amazon Prime Video 等


あらすじ

前漢末期、秦王(ジェット・リー)は暗殺の危機にさらされていた。狙うは刺客三人。
 三人の刺客が王を討つために集結し、それぞれの視点から真相が明かされていく。




見どころ・ポイント解説

  • 色彩豊かな映像美:カラーパレットを武器にした映像演出
  • 武侠アクション:無駄のない殺陣とワイヤーアクションの融合
  • 人間ドラマ:刺客たちの信念と葛藤が生む緊張感

関連記事・内部リンク




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2022年10月10日月曜日

墨攻:今を去る2500年前、専守防衛論を掲げ実戦を戦った軍師がいた

墨攻:今を去る2500年前、専守防衛論を掲げ実戦を戦った軍師がいた

墨攻:今を去る約2500年前、中国では春秋戦国時代に入り、各地の封建諸侯が入り乱れての覇権争いを繰り返していた。その群雄割拠の時代に非戦を唱え、専守防衛論を真正面に掲げ実戦で戦った墨家の実践的指導者を画いたものです。その戦いぶりは後の千早城の戦いにも受け継がれたと思わせる先駆的なものでした。
 時は今を去る約2500年前、中国では春秋戦国時代に入り、各地の封建諸侯が入り乱れての覇権争いを繰り返していた。

 やがてその中でも秦の始皇帝が全国を統一することになる。その理論的主柱は、法家という強権的な法治主義を唱えていた理論集団であったが、墨家とはその法家と対極をなす理想主義を掲げる理論集団であった。

 このことを頭に入れて、映画を鑑賞するといっそう面白くなる。

こんにちは! 中国の春秋戦国時代の墨家集団の活躍を著した中国映画「墨攻」の評論と歴史的背景をお届けします。群雄割拠の時代に非戦を唱え、専守防衛論を真正面に掲げ実戦で戦った墨家の実践的指導者を画いたものです。

映画の紹介
 戦乱の中国を舞台に、非攻(侵略戦争否定)を説いた”墨家”という理論集団の天才戦術家革離の活躍を、中国・日本・香港・韓国の合作で映画化した歴史アクション超大作。今香港で闘われている自由を自立を求める運動にも通じるものがあります。雨傘、マスクなど実に多彩な戦術を繰り出してきます。


映画データ
製作年:2006年
製作国:中国/日本/香港/韓国
原題:A BATTLE OF WITS

製作:ホアン・チェンシン 、 ワン・チョンレイ 、 ツイ・シウミン 、 リー・ジョーイック 、 井関惺
製作総指揮:ワン・チョンジュン 、 スティーヴン・ン 、 ホン・ボンチュル

出演:アンディ・ラウ 、 アン・ソンギ 、 ワン・チーウェン 、 ファン・ビンビン 、 ウー・チーロン 、 チェ・シウォン 、 ワン・チーウェン

監督:ジェイコブ・チャン


ストーリー
 紀元前370年頃の戦国時代、攻撃をせずに守り抜くことに徹した“非攻”を信念とする集団“墨家”がいた。

 その頃、大国・趙が送り込んだ10万の大軍を前に、全住民わずか4千人の梁城は落城寸前の危機に瀕していた。
 梁王は墨家に援軍を求めるが、やって来たのは粗末な身なりの革離ただ1人だった…。



背景と見どころ
 墨家は墨子に創設された理論軍事集団で当初は儒家と激しく対立し、相応の影響力を有したが、かなり限定された規模の組織を統制する方法を天下に敷衍しようとするもので、現実的に有効なものになり得なかった。その教えは兼愛・非攻という特殊な理論体系であった。しかし、陰謀や権謀術数の渦巻く春秋戦国時代にあって、このような理論戦闘集団が一時的にも、部分的にせよ現実に存在し、活躍することがあったということは見所といえよう。「墨守」という言葉が残るように、墨家は現実ではこの映画に見るように、防御戦に関する豊富な経験や知識をもっており、その戦いぶりもめざましいものであった。これらの闘い方は、後の日本の楠正成や真田幸村などにも踏襲されたのではないかと思われる。

後書き
 ネットで見かけた映画評論に、主人公の革離と将軍の娘扮するファンビンビンのラブシーンがストーリーの邪魔になっているという批評がなされていたが、私の見る限り、二人のラブシーンなどどこにも見当たらない。逆にもっと色香を魅せるほうがよかったのではと思っているくらいだ。
 このような評論は、映画の本質を貶めるもので、少し残念だ。あの殺伐とした戦場で、まだ美しさを放っているファンビンビンが扮するゲリラは美しい。


春秋戦国時代に関する、
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2022年3月30日水曜日

番外編「ニコライとアレクサンドラ」・・繰り返されるロシアの歴史:プーチンとラスプーチン

番外編 映画:「ニコライとアレクサンドラ」
繰り返されるロシアの悲劇100年前の皇帝に代って独裁者の再来

今から約百年前まで、ロシアは皇帝ニコライが専制政治を敷いていました。そして今、プーチンによる独裁政治がひかれています。民族解放を標榜し、帝政を倒し国民が主人公てとなる民主主義のために闘ったロシアは今どこに行ったのでしょう。

原題:「The Royal Family」をご紹介します。
これは中国映画ではありませんが、今進行しているロシアのウクライナ侵攻を判断する材料として、この映画を取り上げてみたいと思います。
 2022年の現在ロシアのウクライナ侵攻が、 世界中の大きな非難を巻き起こしております。 しかしながらロシアのプーチンはこの非難に怯むことなくウクライナ屈服させようと大量殺戮の手段まで訴えています。

 この映画は、ちょうど100年前に、ロシアはロシア革命が勃発し、その時までにロシアを支配していた倒れ行く、ロマノフ王朝を舞台にしています。

 この映画の主人公はロシアの最後の皇帝ニコライとその妻のアレクサンドラです。実はこの映画の主人公はもう一人いるのです。それはラスプーチンという人です。この人は実在した人物ですが、すでに末期的症状を見せていた、王朝の中に巣食い、皇后アレクサンドラの寵愛を受け、ロシア革命の前夜にロシアの帝政の政治を大きく混乱させた人物です。

 ラスプーチンの暗躍のために、国内政治が滞っている状態は、100年後の現在プーチンの独裁のために国内の行政機能が麻痺している状況と似通っていると考えられます。

 したがって、ロシアの正常なる判断が失われ、ウクライナに一方的に侵略することになったと考えられますが、プーチンを突き動かしたものはなんだったろう。それはプーチンに聞いてみないとわからないと大概の人は言うでしょうが、しかし私はプーチンの個人的な動きあるいは考え方興味ありません。
 それよりもプーチンを取り巻く環境、ロシアの歴史及びロシアの経済的政治的地理的に置かれた環境などプーチンがどのように育てられたか知ることがもっと大事なことではないだろうか。

  個人が歴史の中で果たす役割は、歴史の一瞬一瞬では大きなものであるかもしれません。しかし歴史を大きな流れの中で捉えた場合に、個人の果たす役割はその一瞬に過ぎないわけで、偶然性の中に必然性が貫徹されているはずです。私たちがある事柄を見るときに、忘れてはならないのは「史的唯物論的に、科学的に」見るという態度に徹することだと思います。


映画の紹介
 この映画は、1972年アメリカで封切られたもののようです。アメリカの映画であるからには、当時のアメリカで支配的であった考え方からは払拭できていないと考えるべきでしょう。(もちろんそれを凌駕した真にに素晴らしい映画もあったでしょうが・・) それを頭に置いた上で評価しなければなりません。

映画データ
製作: Columbia Pictures
原題: Royal Family
邦題: ニコライとアレクサンドラ
監督: Franklin Schaffner
出演: Michael Jayston, Janet Suzman, Roderic Noble


ストーリー
 1904年。ロシア皇帝ニコライと皇后アレクサンドラとの間に、皇太子アレクセイが誕生した。しかし、アレクセイが血友病にかかっていることが分かり、怪僧ラスプーチンの不思議な力で危機が一時的に回避された。それを機にアレクサンドラは彼を寵愛するようになるが、ラスプーチンは次第に皇帝までをも操り出す。これが王室の悲劇の始まりとなり、ロシア帝国の未来に暗雲が立ち込める…。

 皇帝とはいえ、個人の判断を国家としての判断の上に置いた悲劇であるともいえよう。



背景と見どころ
 この映画は、皇帝ニコライが、ラスプーチンに篭絡された皇后に拘泥することにより、現実を見ることではなく、かつての力のあった王朝の栄光の復活の実を夢見て、次第に孤立し、問題を先送りし、ずるずると成り行きに引きずられていく過程をしっかりと見ることが肝要です。そのうえで、今日のロシアに視点を移してみると、この大ロシア帝政の時代のロシアの再来を夢見た権力者がかつてのソ連の時代の力による栄光の復活を夢見て、やはり現実を見ることなく、孤立していく様がダブって見えることである。


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2022年3月24日木曜日

番外編:「博士の異常な愛情」の核戦争の予言が現実になる恐怖
    プーチンのウクライナ侵攻の狂気 

「博士の異常な愛情」に見る狂気が現実となる恐ろしさ!

この映画の現在的な意味
 今ウクライナで起こっていることは、前回は最初にこのページをアップした時に恐れた、「北朝鮮とアメリカを巡る核戦争が起こるかもしれない危機的な状況」よりもはるかに切迫し、かつこの危機が現実のものになるかもしれないという緊迫感の中にある。

 アメリカの情報機関の発表によるとこの4,5日がその正念場だという。いまロシアのプーチン大統領の妄想と暴走により引き起こされたウクライナ侵略はウクライナとロシアだけの問題ではなく、全世界を巻き込んだ世界戦争に発展する恐れを秘めている。

 ロシアの長年のアメリカに対する恨み、アメリカがベトナム、アルジェンチン、リビア、イラン、イラクで何をしてきたかが背景にあると思われるが、それにしても今度のロシアのウクライナ侵略はあまりに狂気じみている。この狂気と暴走がが何を招くかこの映画は予測していたともいえる。

  偶発的なことも重なり、核戦争までいってしまう恐ろしさを描いたイギリス映画をあえて紹介します。誰もが見るべきイギリス映画「博士の異常な愛情」をお贈りします。

 


映画の紹介
北朝鮮とアメリカの間に繰り広げられている核戦争になるかも知れない危機的状況。設定は異なるかもしれないが、核による支配を企む気違いじみた博士とその周りの人々が世界を核戦争に追い込んでいく。それを回避しようとする努力が一応為されるが、連絡も絶った一機の爆撃機が、あらゆる防御網をかいくぐって、一発の核爆弾を投下してしまう。

映画データ
出演:ピーター・セラーズ(マンドレイク/マフリー大統領/Dr.ストレンジラブ)
ジョージ・C・スコット(バック・タージドソン将軍)、スターリング・ヘイドン(ジャック・リッパー准将)、キーナン・ウィン(バット・グアノ大佐)、スリム・ピケンズ(キング・コング少佐)

監督:スタンリー・キューブリック


ストーリー
 アメリカのバープルソン空軍基地。その司令官ジャック・D・リッパー准将は部下のマンドレイク大佐に基地を警戒態勢に置くよう指示。その上で空を巡回中のB-52戦略爆撃機34機に「ソ連領域内に侵攻し、搭載した核ミサイルを発射しろ」という命令を下します。全面核戦争への秒読みが始まったのです。
 ペンタゴンの指令など出されていないことが明らかになり、リッパーの独断専行を止めようとします。
 一方、ペンタゴンでは緊急事態に対処するため、ソ連大使を呼びだして戦略室に入れ、その目の前で大統領はソ連の首相と電話で会談しますが、事情を知った首相は激怒。報復手段を取ると宣言。
 アメリカ政府は状況を打開するため、リッパーから通信用の暗号を聞き出そうとリッパーの部屋を攻撃。基地の兵士らとの交戦があった後、リッパー准将は自殺。
 やがて暗号は解読され、ほとんどの爆撃機は引き返すが、1機だけは機器の故障でそのまま目的地に向かって侵攻する。爆撃機は核爆弾を投下。核は爆発。報復装置が起動されるため、まもなく人類は死に絶えるはず。
 しかし、大統領の科学顧問であるストレンジラヴ博士は、地下深い空間で僅かな優秀な人間だけでも生き残れば、まだ希望はあると熱心に説く。殆どの人間が死に絶えても・・。




背景と見どころ
 この映画は1964年にイギリスで作られている。  この映画は、司令官ジャック・D・リッパー准将と大統領の科学顧問であるストレンジラヴ博士の二人の人物を中心に話は展開する。
 司令官ジャック・D・リッパー准将は部下のマンドレイク大佐に基地を警戒態勢に置くよう指示することから始まる。

 ロシアのウクライナへの侵攻 はロシアのプーチン大統領単独の判断と言われているが、 この映画のジャックリッパー准将とストレンジラブ博士のふたりが、ロシアのプーチンの中で合体かされ、具現化されていると考えれば 、ロシアのウクライナ侵攻の舞台と背景を読み解きやすいのではなかろうか。

 もちろん映画はあくまでもフィクションであり現実に起こっているロシアのウクライナ侵攻はリアルな世界である。全く違う世界にもかかわらず、映画と現実の世界の中に共通性を見ないわけにはいかない。
  一つはロシアのプーチン大統領が、ストレンジラブ博士と同様に 狂気と妄想に支配されているのではないかということである。
 さらにもう一つはロシアのプーチンがロシアという国の最高権力者であり、すべて一人で動かせる位置にあることは映画の中のジャックリッパー准将と 同様であると考える。

  今回の事件が国家という大きな舞台の中で起こった問題ではあるが、 結局は独裁と言う仕組みの中でロシアのプーチン個人の妄想と狂気 に帰着する問題であるからだ。
  どんなに整備され民主的な国家であるにせよ最終的には ほんの一人あるいは一握りの人間の行動をいかに規制しし管理するかという問題になってしまう。

 その仕組みや権力が大きければ大きいほど、その権力を縛り民主的に管理できるかには大きなジレンマが伴う。




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2018年11月30日金曜日

ラストサムライのトム・クルーズかラストソルジャーのジャッキー・チェンか対比が面白い



ラストソルジャー

ラストソルジャー:壮大なスケールで描く「手柄」を立てようという純粋に「功利主義」という匂いがプンプンするヒューマン歴史戦争映画

中国歴史映画「ラストソルジャー」というより、娯楽映画

ラストソルジャー 壮大なスケールで描く「手柄」を立てようという純粋に「功利主義」という匂いがプンプンするヒューマン歴史戦争映画

娯楽ではトムクルーズ・渡辺謙の「ラストサムライ」を越えた中国歴史映画。

 なぜこうも描き方が違うのか。 違って当たり前。だから面白いのだ。
  「ラストサムライ」のトム・クルーズの方はそこにそこには「功利」という匂いも感じさせない。まるで西部劇の世界。
 渡辺謙は滅びゆく武士の死生観を代表し、まるで男の美学としての「死に方」を描く。

 片やジャッキー・チェンは「手柄」を立てようという純粋に「功利主義」という匂いがプンプンしている。
  歴史に翻弄された人間よりも、歴史に翻弄された大衆に焦点を当て、平和の大切さを教えてくれる映画。
また大義名分よりも結局は大衆は「功利」で動き、歴史は経済に決定されるということを教えてくれる映画。


ジャッキーチェンの新しい境地にさらなる期待!

ジャッキーチェンといえば、香港の超大物スター、カンフー、アクション映画といった言葉がすぐ思い当たりますね。
ハリウッドスタートして活躍してきたジャッキーが香港に帰ってきた時は、既におじさん。
彼も生き残りをかけ必死に自分の方向を探していたのでしょう。
最近といってももう20年近くなりますが、ようやく探し当てたようです。
BestKid、1911、三城記の作品を見て、従来のジャッキーにないものを見てしまったように思いますが、あなたは?
これを中国本土映画への融合という評論家もいますが、私は彼の持つ思いを表に打ち出してきた結果と思います。
私は、彼が新しい映画のジャンルを作り出していくことを期待しています。

映画データ
製作年: 2010年  製作国:中国/香港
 原題: 大兵小将/LITTLE BIG SOLDIER

「ラスト・ソルジャー」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
監督: ディン・シェン
製作: ソロン・ソ 、 ユエン・ノン
製作総指揮: ジャッキー・チェン
出演: ジャッキー・チェン 、 ワン・リーホン 、 ユ・スンジュン 、 リン・ポン 、 ユー・ロングァン 、 ユ・スンジュン 、 ケン・ロー 、 ドゥ・ユーミン


ストーリー
 戦国時代の中国を舞台に、ある時、大国・衛(えい)の軍が弱小国の梁(りょう)に攻め入る。偶然にも、深手を負った衛の将軍を捕虜にし、自国の梁に連れ帰る老兵が、待ち受ける数々の困難の中で次第に将軍と奇妙な絆を築いていくさまをコミカルなタッチを織り交ぜ綴る。そして、最後のどんでん返しは?
 フィクションはフィクションとしても、楽しめる映画。


あとがき
 中国の戦国時代(紀元前400年頃)に戦いに狩り出されたジャッキーチェイン扮する雑兵の戦場での活躍が可笑しい。戦場でのた打ち回る全編を通して、戦いのバカバカしさを強く訴える。
 いまや中国の中国人民政治協商会議の委員も勤めるジャッキーは、中国の顔であるばかりでなく、世界の映画人として立派にその勤めを果たしている。今後更なる大きな役割を果たしていくことを期待している。

 この映画も紋切り型の「反戦映画」とせず、エンターテインメント映画として、観客を十分楽しませながら、彼の良心を前面に打ち出した映画にしている。トムクルーズ・渡辺謙の「ラストサムライ」と題名は似ているが、その視点はまったく異なるものだ。わたしはこの映画に軍配を上げたい。


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2018年9月23日日曜日

孫文の義士団:西太后の放った刺客とのたった8人の義士団の行き詰る死闘

辛亥革命前夜、孫文の暗殺を狙う◇集団と孫文を守る8人の義士団の息詰まる死闘が再現されるアクション

孫文の義士団

映画の紹介
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 時は1910年。欧米列強に蚕食され、断末魔の叫びを上げ、のた打ち回る清朝は、幾度となく孫文の「打倒の刃」を受けつつもなかなか倒れない。それでもいよいよ最終決戦の日が近づく。孫文は同志との打ち合わせのため、単身香港に乗り込む。それを阻もうとする清朝は大量の暗殺団を差し向ける。そして、孫文暗殺を阻止すべく選ばれた名もなき8人。敵は、500人の暗殺団。
 この闘いなくして中国の夜明けはない。最も短い、そしてもっとも長い1時間の死闘の幕が切って落とされる。映画史上、最も過酷な1時間、「生か死か」息もつかせぬ壮大なアクションに、ドニー・イェンほかなぞの美少女に扮するファンビンビン、アジアトップスターが挑む!!

 ドニー・イェン、レオン・ライ、ニコラス・ツェーほか、豪華アジアスターを迎えて贈る、激動の辛亥革命を舞台にした歴史アクション大作。
 未来をかけ、孫文を守り抜くために戦った名もなき者たちの心揺さぶる物語。

 アジアの映画賞レースを席巻!激動の辛亥革命を舞台に贈る、歴史アクション超大作!
中国歴代興収記録トップ10にランクインし、アジア各国の映画賞で計70部門ノミネート、37部門受賞という驚異的記録を作り上げた話題作『孫文の義士団』。

 香港映画界の旗手、ピーター・チャンのもと、実力派テディ・チャンが総合監督を務め、『インファナル・アフェア』のアンドリュー・ラウが特別監督として参加。辛亥革命前夜の香港を舞台に、未来を変えるため立ちあがった名もなき義士たちの戦いを、超絶アクションと壮大なストーリーで描き出す。


DVDデーター
  • 出演: ドニー・イェン, レオン・ライ, ニコラス・ツェー, ファン・ビンビン, レオン・カーフェイ 
  • 監督: テディ・チャン(陳徳森、生年月日: 1958年4月26日 香港生まれ)
  • 形式: Color, Dolby, Dubbed, Subtitled, Widescreen 
  • 言語: 中国語 
  • 画面サイズ: 2.35:1 
  • ディスク枚数: 1
ストーリー
 清朝末期の香港。そこに、一人の男が来航するという極秘情報が流れる。彼の名は、“孫文"。
 腐敗した王朝打倒を掲げる革命家である彼の目的は、武装蜂起のための同志との密談。要する時間は1時間!全てはそのわずか1時間で決まる。
 そして、西太后が仕向ける500人の暗殺団に対して、孫文を護衛する義士団が結成される。集ったメンバーは、暗殺団のスパイとして働く警官、愛する人との結婚を誓った車夫、過去の罪に囚われ物乞いとなった元御曹司、父の復讐を誓った少女ら、市井の民たち。
 ある者は愛する人のために、ある者は己の信念のために、それぞれの熱い想いを胸に秘め、10億人の希望と、国の未来がかかった“壮絶なる1時間"の戦いに挑む。


歴史的背景と見どころ
 清は1616年に満洲において建国され、順治帝に続く、康熙帝・雍正帝・乾隆帝の3代に清は最盛期を迎えた。しかし、さしもの清も乾隆帝の60年に及ぶ治世が終わり(18世紀末)に近づくと、乾隆帝の奢侈と十度に及ぶ大遠征の結果残された財政赤字が拡大し、官僚の腐敗も進んで清の繁栄にも陰りが見え始めた。
 そして、19世紀には、欧米の植民地支配の格好の餌食となり、アヘン戦争、洪秀全率いるキリシタン集団・太平天国による太平天国の乱(1851年 - 1864年)などが起こり、さらに1895年には日清戦争で敗北し、一路滅亡に向かって突き進んでいった。
 この映画の背景は、このように諸外国の簒奪により、国内は治安は乱れ、国民の間にも革命の機運が生じていたが、長きに亘って続いた皇帝支配の体制の中で、地方豪族、軍閥がそれぞれの利権を主張して、混乱に拍車をかけていた。
 いっぽうイギリスは東インド会社を通じて、中国ーインドーイギリスという三角貿易で利権を独占していたが、拡大する茶の取引で、銀の流出が拡大し、アメリカの独立戦争への戦費を確保する必要から、銀の流出を抑える政策を採った。そして考え付いたのが、事もあろうにアヘン貿易であった。
 この映画の背景として、アヘン戦争後もやまないアヘンの蔓延に対する、中国人の苛立ちがあると考える。このあたりの事情は、中国映画「孫文-100年先を見た男」にくわしい。


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2018年9月22日土曜日

運命の子:史記の物語を映画化。范冰冰が貴婦人として泥沼に咲く

運命の子

中国百科映画館が皆様に中国映画中国映画「運命の子」をお贈りします。
今回はチェン・カイコー監督が「史記」にある春秋戦国時代の「趙氏孤児」を映画化。
 ファン・ビンビンが戦国の血なまぐさい、ドロドロした世界に咲く貴婦人を美しく健気に演じる

映画の紹介
陳 凱歌(チェン・カイコー)監督作品! 『史記』に描かれた「趙氏の孤児」が、2600年の時を乗り越え現代に訴えかける中国時代劇!


映画データ
出演: グォ・ヨウ, ワン・シュエチー, ファン・ビンビン, ホァン・シャオミン, チャン・フォンイー
監督: 陳 凱歌(チェン・カイコー)
言語: 中国語
販売元: 角川書店
発売日 2012/06/08
時間: 128 分


ストーリー
 中国紀元前3世紀、群雄割拠し、世の中は乱れていた。

 有力諸侯趙氏の子供と間違われて、趙氏の主治医の子供と、妻は殺されてしまう。

 主治医は趙氏の子を引き取って大切に育て、その子を使って、自分のこと妻を殺した武将に復習をしようと計画する。

 何も知らない武将は、その子の父親として、その子を溺愛し、時が過ぎその子は逞しく成長した。子供は自分の身の上を知り、愛する父親が実は自分の父と母を殺した敵だと知る。



背景と見どころ
 古代中国、夏・商(殷)王朝が滅び、紀元前11世紀に周の武王が王朝を建てた。その周王朝も紀元前770年に都を移し東周と称せられ、戦国時代に移行する。

 この物語は戦国時代の晋の国、趙氏の滅亡に係る話。時期的には紀元前230年ごろに設定されている。
 春秋戦国時代の歴史的意義は、大きな変革を経験した時代である。

 この時代に達成された製鉄技術の進歩は、武器の長足の進歩と共に、農業技術や農器具にも目覚しい発展を促し、農業生産も大きく発展をした。これはこの時代では産業革命と呼ぶべきものかもしれない。

  周の封建制のお陰で、農民は土地に定着し、農業技術が進歩すると、人々の暮らしが豊かになり、国力も増大する。君主は、より多くの農地と農民を求めて、戦いを繰り返す。

 しかしこれが戦国時代になり、いくつかの強大国にまとめられてくると、まとまった強大な国の中で、血みどろの簒奪戦が繰り返されるようになる。こうして、周辺民族も含め、坩堝の中に入れられた諸民族は、ぐじゃぐじゃに混ぜられた上、やがて大きな統一国家へと発展していく。



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2018年7月11日水曜日

秋瑾 ~競雄女侠~:近代中国の陰で散った女性革命家の生涯が蘇る!

秋瑾 ~競雄女侠~

あなたはシュウキン(秋瑾)をご存知ですか?ご存知の方はかなりの中国通!!
彼女は辛亥革命より前に、革命運動に身を投じ、若干31歳の若さで、公開処刑に付される。まだ封建遺制が巾を利かす清朝末期に実在した激越な女性革命家が今蘇る!!
近代中国の夜明けに一瞬輝いて消えた女性革命家シュウキン。


映画の紹介
実在の革命家・秋瑾(しゅうきん)の壮絶な人生を忠実に描いた歴史アクション。幼い頃から血気盛んで乗馬や撃剣などを好んで育った秋瑾は、夫と幼子ふたりを残し、当時女子教育が進んでいた日本への留学を決意する。

映画データ
出演: クリスタル・ホアン, デニス・トー, ローズ・チェン, ション・シンシン, アンソニー・ウォン
監督: ハーマン・ヤオ
字幕: 日本語
販売元: アメイジングD.C.
発売日 2012/09/21

ストーリー
19世紀後半、清朝期。女性は纏足を強要され、まともな教育も受けられず、人間としての自由を奪われ生きなければならなかった封建的な時代。
 比較的裕福で自由な気風の家庭の下に育ったシュウキン秋瑾は伸び伸びと育つ。結婚してからも世間の風潮に我慢ならなかった彼女は、夫と幼子二人を残し、当時女子教育が進んでいるとされた日本へ留学を決意する。
 留学してからは、それまでの鬱々とした生活から開放され、女性解放、民主化運動に傾倒していくが、やがて日本政府にも疎まれ、国外追放になり中国に戻ってくる。
 しかし自由の翼を得た彼女をもう誰も留めることは出来なかった。


あとがき
 これまでのシュウキン(秋瑾)の評価は、どちらかというとジャンヌダルクと比較されるような、女剣士と派手な立ち回りに目を奪われ、大衆受けするような講談の主人公のような評価が、強かったように思う。 これはある意味、シュウキン(秋瑾)にとって一種の風評被害のようなものではないだろうか。
 しかし一部には、彼女を全面的に見直そうという機運もあるような気がする。鈴木頌氏の論文もその一翼をなすものと評価できる。氏かこの論文の最後で言っているように、


 秋瑾は女盗賊のような野蛮な人間ではない。その戦闘性は高い知性と貶められた女性への深い共感に裏付けられている。
但し私は全面的に鈴木氏の意見に同調するものではない。秋瑾の持つ左翼小児病的弱点はなんとしても頭の中から消えないことだけは付け加えておこう。



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2018年7月8日日曜日

「セデック・バレ」:台湾の山岳部族の誇り高き戦い抗日暴動・霧社事件を描く

セデック・バレ

今回は台湾映画「セデック・バレ」をご紹介します。
 この映画は台湾で野蛮人とさげすまれてきた誇り高き狩猟民族の戦いを描く。長い間、文化とは自らを切り離し、台湾の山岳地帯で、「縄張り」を守って、誇り高い部族意識と優れた戦闘能力と規律ある生活を守ってきた、部族がある日突然日本軍の屈辱的な支配を受けなければならなくなったことからこの民族の悲劇が始まる。民族とは何か、誇りとは何か、人間とは何かを考えさせる映画である。

映画の紹介

セデックバレ:心に残る中国映画セレクション100”
 1930年、日本統治時代の台湾で起こった先住民セデック族による抗日暴動・霧社事件を描く。
 2011年9月に台湾で公開。台湾版アカデミー賞と言われる「台湾金馬奨」最多11部門にノミネートされ、見事グランプリを獲得し、ヴェネチア国際映画祭や大阪アジアン映画祭でも大絶賛されました。台湾史上最高の興行収入を得たというものである。



映画データ
監督 ウェイ・ダーション
脚本 ウェイ・ダーション
製作 ジョン・ウー、テレンス・チャン、ホァン・ジーミン
出演者 リン・チンタイ


ストーリー
映画のテーマ「霧社事件」のあった台湾中部の部落
赤のバルーンのあるところ
 ストーリーはぜひご自身でDVDをご覧になっていただきたい。 映画は、凄まじいほどの迫力を持ってあなたに迫ってくるだろう。
 この映画は、ちょっとした解説で済ますのではなく、映画の中に入り込んでいただきたい。それだけの値打ちがある映画だと思う。


背景と見どころ
 この映画の特筆すべき点は、徹頭徹尾 抑圧された狩猟民族セデック族の立場に立ちセデック族の側から見て、映画が作られているということだと思います。
 「野蛮人には文化教えてやるのだ、彼らの不幸な生活から開放して文明のすばらしさを享受させてやるのだ」という声が聞こえてきますが、この映画では、文化とは何か、誇りとは何か、そして外からやってきて、それを壊して自分たちの文化を押し付ける権利はあるのかなど考えさせられます。


あとがき

 これと同じような事件は後を絶ちません。少しだけ、わが身がセデックバレであったとしたらと、思いを起こしてみると容易に分かるものでは、ないでしょうか。第2次世界大戦後、日本は民族の誇りを護っているといえるでしょうか? 難しい問題ではありますが、われわれの世代で解決せねばなりません。
そのためにも是非この映画をご覧になってください。


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2018年6月5日火曜日

中国映画「赤い鞄」:小学校建設に全財産をなげうって奔走した実話、心を揺さぶる

赤い鞄 チベット、秘境、モォトゥオヘ

中国映画のDVD「紅い鞄-チベット、秘境モォトゥオへ-」を観ました。すばらしい映画です。感動しました。
 昔の淀川長治さんの「いやあ!映画って本当にいいですね」という台詞を思い出しました。日ごろ私たちの回りにあふれる、中国と名がつけば、反日だ、それ共産党だのという「そしりや誹謗」を暫し忘れてしまう映画でした。
それは中国の国家の思惑もあるでしょう。プロパガンダもあるでしょう。しかしこの映画はしばしそのような「雑音」を忘れ、純粋無垢の気持ちにさせてくれます。
 このような映画を見ると、私たちの中国人感と現実との乖離を感じさせてくれます。



キャッチコピー
 中国最後の秘境と呼ばれるチベット自治区の山奥、墨脱(モォトゥオ)を舞台にしたアドベンチャー・ロード・ムービー。物語は、墨脱の過酷な実情を知り、私財をはたいて現地に小学校を建てた実在の老人の実話を綴ったルポルタージュ『走進墨脱』が基になっている。

映画データ
製作年: 2003年
製作国: 中国
原題: 心跳墨脱/STIRRING TRIP TO MUTUO

出演者/監督・スタッフ
監督: ハスチョロー
出演: スン・ミン[俳優] 、ボオ・ホン 、パイマーチュエツァ、スン・ミン 、パイマーチュエッツァ


ストーリー
左の地図は、墨脱(モォトゥオ)がどこになるか示すため、馴染みの深いラサを圏内に入れて抜き出したものである。地図でも分かるように、墨脱(モォトゥオ)は中国とインドの国境付近にあり、この地域の一部はインドが実効支配をしているところもあるという。
 この地域には、少数民族のメンパ族が多くすむ所でもある。
 地図上の赤いバルーンのあるところが、墨脱(モォトゥオ)である。

 上海の新聞記者ワンは、秘境・墨脱に私財で学校を建てた老人の話を耳にして、その老人への取材を試みることに。
 麓の村までやって来ると、その老人が働く小学校の校長、持病を持つ老人を診察するために来たわがままな女医などと合流
 彼らと一緒に墨脱を目指して旅を開始する。しかし、そんな一行の前には数々の危険と困難が待ち受けていた。


背景と見どころ
 この映画の舞台は、5000メートルの高地にある小学校を目指して厳しく、過酷で想像を絶する旅が続く。初めは行くのを渋っていた担ぎ屋の親方や生粋の上海育ちのわがままな女医さん達も、老人を慕う校長の熱意に突き動かされ、共にはるか離れたモォトゥオに向かう。しかしその旅路は、高山病や、山蛭、歩幅もないがけっぷちの岩場、底なしの沼地など苦難の連続であった。
 しかし一向は、老人hが苦難を押して戦い続ける姿に突き動かされ、、子供たちを安全に学校に行かせてやりたいという純粋な気持ちを抱いて、そしていつか厳しいけれども雄大な自然に抱かれて旅する中で一体感が生まれ、この困難なたびを踏破する。
 誰もが見て欲しいすばらしい映画だ。





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2018年6月1日金曜日

中国映画「一輪明月 ~弘一大師の生涯」:漫画を世に送出した豊子ガイとの麗しい師弟関係

一輪明月 ~弘一大師の生涯

中国映画のDVD「一輪明月 ~弘一大師の生涯」を観ました。

 この映画は、清朝末期から日中戦争末までを生きた禅宗の高僧で、芸術家でもあった、弘一大師の波乱に満ちた生涯を描いたものです。 日本ではあまり有名ではありませんが、中国では中国の近代芸術を開いた禅宗の高僧として広く知られて、深い尊敬をを受けています。彼の薫陶を受け、中国で「漫画」というジャンルを確立した豊子愷が羽ばたいています。
 中国映画「弘一大師の生涯」は2005年に製作されています。主人公の日本人妻として、ビビアン・スーが起用されています。


映画のキャッチコピー
 孤高の天才芸術家・弘一大師の生涯を描く人間ドラマ。天津の裕福な家庭で妾妻の子として育った李叔同は、25歳で日本に留学し芸術を学び、その後の中国芸術界に新風を吹き込む。日本人女性との結婚、仏教への傾倒、出家、妻との別離までを綴った感動作。


映画データ
製作年: 2005年
製作国: 中国
原題: A BRIGHT MOON

監督: ルー・チー 、 路奇
出演: プー・ツンシン 、 ビビアン・スー(徐 若瑄) 、 リー・ジエンチュン 、 マー・シューリアン 、 グー・ハイビン 、 マー・シューリャン
ストーリー
 この映画は弘一大師の生涯を忠実に描いた伝記である。
 しかし、いくら伝記ものといえ、時代背景のぶつ切りの節目節目をつなぎ合わせただけの、ある意味粗雑なつくりになっているのは残念。
 また、その間の主人公の心の葛藤と時代背景との関連が描かれていなく、主人公の行動が分かりにくいものになっている。く

背景と見どころ
 物語は、清朝末期太平天国の乱等で、社会は大きく乱れる時代を描く。清朝は、李鴻章の地方軍閥「淮軍」、曽国藩の「湘軍」等の力を利用し、押さえ込もうとするが、命脈の尽きた清朝を立て直すことは出来ず、社会は乱れに乱れることとなった。
 この映画は、1880年主人公が生まれた年から、1911年の辛亥革命、袁世凱の台頭、国民政府の成立、日本の侵略、日中戦争、太平洋戦争までの主人公の生きた動乱の時代を背景に主人公の生涯を描き出す。
 また、弘一大師の弟子である、豊子愷は日本の竹久夢路にも師事した画家であり、「漫画」という題つきの線画という新しいジャンルの確立に貢献をしている。この映画でも、弘一大師と豊子愷の師弟関係が描かれており興味深い。
 また、もう一つ残念な点は、この映画が全体的に荒削りで、緻密さにかける点である。昔の創世記の映画ではあるまいし、もう少し丁寧な描き方をして欲しかった。

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2018年4月4日水曜日

中国映画「項羽と劉邦 鴻門の会」:中国の天下を争った三人の武将の死に様を描く

項羽と劉邦

中国映画のDVD「項羽と劉邦 鴻門の会」を観ました。すばらしい映画です。
 「中国映画おすすめ100選への道」がこれはいいという中国の映画を探して、その時代の歴史的背景に注目して、映画の案内をお送りしています。
中国映画「項羽と劉邦 鴻門(こうもん)の会」:京劇でも有名な「覇王別記」のもう一つの舞台


映画の紹介
 中国の歴史の一大転換期と言われる春秋戦国時代にその名を轟かせた武将・項羽、劉邦、韓信らが、激闘を経てやがて覇王となっていく半生と生き様を描く。
 映画としては。「生き様」というより、両雄の「死に様」を対比させた映画である。私にとっては、項羽と虞妃の関係、劉邦と呂皇后との関係の対比が面白い。



映画データ
出演: ダニエル・ウー, リウ・イエ, チャン・チェン, チン・ラン
監督: ルー・チューアン
言語: 中国語 字幕: 日本語
販売元: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
発売日 2014/11/12
時間: 116 分


  ストーリー
 ストーリーの主眼は、中国ではじめて統一国家を成し遂げた秦朝が倒れた後の後処理におかれる。

 項羽は劉邦が自分より先に(秦の本拠地の関中 (陝西省) に入った者が王となる約束していた)関中に入ったとして劉邦を抹殺しようとした。その衝突を心配した劉邦の将軍の張良や項羽の叔父の項伯らが和睦をはかり,咸陽の入口の鴻門で両者を会合させた (BC 206) 。

  この会合で劉邦は項羽に忠誠を誓った。項羽は劉邦を殺そうとするも、何とか逃れる。劉邦は陣を立て直し項羽を攻め、項羽は虞妃とともに自害し果てる。(この場面は京劇での演目「覇王別記」のクライマックスとして描かれている。
 天下を統一した劉邦は政敵の抹殺を図り、韓信もその計略に落ち、殺される。 



  背景と見どころ
 華々しい覇権の争いの場面とは異なり、この映画では、項羽の自害の場面、劉邦の死の床での死に様を描いた、実に暗い場面が続く。しかし、この二人は同じような戦いを経てのし上がったといえ、二人の死に様は大きく異なる。

 項羽が敵に囲まれ打ち果てたといえ、愛妃をそばに最後まで置き、死を嘆じて其れなりに毅然として死んだのに比べ、劉邦は天下を取ったといえ、老醜をさらして死んだ様は、あまり美しいものではない。
 覇王として残忍で暴虐ではあったが、虞妃を最後まで愛しつくした男気のある項羽は京劇「覇王別記」の主役として後世語り継がれた。

 無頼の徒から身を起こし、不倶戴天の敵項羽を打ち破り、中国に漢王朝という強大な国家を作り上げた、人の心をつかむのに長けた武将・劉邦の対比は興味深い。

 この映画は、劉邦は既に死の床にあるものの、韓信抹殺に主導的役割を果たす呂皇后の陰湿な計略を描き出す。劉邦亡き後、呂皇后は、劉邦の側室を酷い方法で殺すことになるが、そのあまりに惨い殺し方に、息子は厭世的になり、その後政治に遠ざかる様になったいわれています。

 さらに彼女自身は後代の唐代の武則天、清代の西太后とともに、三大悪女として汚名を天下に知られることになりました。呂皇后の殺戮の発端はこの韓信の抹殺に始まるといえましょう。

漢王朝の歴史的役割
 漢王朝は劉邦が天下を統一して以降200年ほどで倒れ、「新」という国が立つが、それまでの間を前漢(紀元前206年 - 8年)という。

 新が倒れ劉氏の一族が漢を再建し、三国時代の魏に禅譲するまでの間200年ほどを後漢(25年 - 220年)という。

 この二つの王朝(両漢)を総称して「漢王朝」と呼ばれる。また、この名前は中国全土や中国の主要民族を指す名称ともなった。

 漢王朝の歴史的役割とは、この400年で、中国の国家としての基盤が確立したといっていい。この意義は非常に大きいといわねばならないだろう。


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