一輪明月 ~弘一大師の生涯
中国映画のDVD「一輪明月 ~弘一大師の生涯」を観ました。この映画は、清朝末期から日中戦争末までを生きた禅宗の高僧で、芸術家でもあった、弘一大師の波乱に満ちた生涯を描いたものです。 日本ではあまり有名ではありませんが、中国では中国の近代芸術を開いた禅宗の高僧として広く知られて、深い尊敬をを受けています。彼の薫陶を受け、中国で「漫画」というジャンルを確立した豊子愷が羽ばたいています。
中国映画「弘一大師の生涯」は2005年に製作されています。主人公の日本人妻として、ビビアン・スーが起用されています。
映画のキャッチコピー
映画データ
背景と見どころ
孤高の天才芸術家・弘一大師の生涯を描く人間ドラマ。天津の裕福な家庭で妾妻の子として育った李叔同は、25歳で日本に留学し芸術を学び、その後の中国芸術界に新風を吹き込む。日本人女性との結婚、仏教への傾倒、出家、妻との別離までを綴った感動作。
映画データ
製作年: 2005年ストーリー
製作国: 中国
原題: A BRIGHT MOON
監督: ルー・チー 、 路奇
出演: プー・ツンシン 、 ビビアン・スー(徐 若瑄) 、 リー・ジエンチュン 、 マー・シューリアン 、 グー・ハイビン 、 マー・シューリャン
この映画は弘一大師の生涯を忠実に描いた伝記である。
しかし、いくら伝記ものといえ、時代背景のぶつ切りの節目節目をつなぎ合わせただけの、ある意味粗雑なつくりになっているのは残念。
また、その間の主人公の心の葛藤と時代背景との関連が描かれていなく、主人公の行動が分かりにくいものになっている。く
背景と見どころ
物語は、清朝末期太平天国の乱等で、社会は大きく乱れる時代を描く。清朝は、李鴻章の地方軍閥「淮軍」、曽国藩の「湘軍」等の力を利用し、押さえ込もうとするが、命脈の尽きた清朝を立て直すことは出来ず、社会は乱れに乱れることとなった。
この映画は、1880年主人公が生まれた年から、1911年の辛亥革命、袁世凱の台頭、国民政府の成立、日本の侵略、日中戦争、太平洋戦争までの主人公の生きた動乱の時代を背景に主人公の生涯を描き出す。
また、弘一大師の弟子である、豊子愷は日本の竹久夢路にも師事した画家であり、「漫画」という題つきの線画という新しいジャンルの確立に貢献をしている。この映画でも、弘一大師と豊子愷の師弟関係が描かれており興味深い。
また、もう一つ残念な点は、この映画が全体的に荒削りで、緻密さにかける点である。昔の創世記の映画ではあるまいし、もう少し丁寧な描き方をして欲しかった。
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