山河ノスタルジー
この映画の原題は「山河故人」時代を越えて変わらないもの―母が子を想う気持ち。それでも変わり行く眼前の風景や周りの人々。自分は誰だろうと思ってしまうのは中国人も日本人も同じ。原題の方が日本語題よりずっとぴったり来る。
映画の紹介
なにもかも急激に変貌を遂げる中国。その中で人々の心もまた変わっていった。離れ暮らす母と子。母はひとり故郷で、異国の地の子供を思い続ける。
息子は心のどこかで、母の面影を探している。
母と子の強い愛は陰線、出会う人との愛は陽線。変わりゆくこの世界を陰線と陽線が織りなす。変わらぬ想い。
映画データ
原題: 山河故人
出演: チャオ・タオ, チャン・イー, リャン・ジンドン, ドン・ズージェン, シルヴィア・チャン
監督: ジャ・ジャンクー
形式: Color, Dolby 言語: 中国語
字幕: 日本語
リージョンコード: リージョン2 (このDVDは、他の国では再生できない可能性があります。詳細についてはこちらをご覧ください DVDの仕様。)
販売元: バンダイビジュアル
発売日 2017/01/06
時間: 127 分
ストーリー
1999年、山西省・汾陽(フェンヤン)。 小学校教師のタオは、炭鉱で働くリャンズーと実業家のジンシェンの、幼なじみの二人から想いを寄せられていた。 やがてタオはジンシェンからのプロポーズを受けいれ、息子・ダオラーを授かる。
2014年。タオはジンシェンと離婚し、一人汾陽で暮らしていた。ある日タオは急死した父の葬儀を機にダオラーを引き取ろうとする。しかし余りに長い時間は、もはや母と子の関係を維持できなくなっていた。
そして、二人はまた離れ離れに。時は流れ、2025年、オーストラリア。
19歳になったダオラーは長い海外生活で中国語が話せなくなっていた。父と子の会話も通訳が必要に。
父親と確執がうまれ、自らのアイデンティティを追い求める中、中国語教師ミアとの出会いを機にミアの中に母の陰線を見出し、ミアと結ばれる。ダオラーはかすかに記憶する母親の面影を探しはじめる。
背景と見どころ
左の地図の赤線で囲ったところが山西省・汾陽である。この映画の舞台は、田舎も田舎。開発に取り残された街である。
この街から西南西300Kmのところに延安がある。延安は中国共産党が国民政府に追われ、行き着いた先である。これは長征として歴史でも名高い事件である。
もう少し説明するとこの街から北東約150Kmのところに、山西省省都の太原がある。この地方は石炭の産出地であり、良質の石炭が産出される。(大同炭鉱)。この映画にも出てくるような炭鉱は、民間の小規模炭鉱が多く、杜撰な管理体制が問題となっている。
もう少し北に行くと大同があり、「雲崗石窟」で世界遺産になっている。
大同の「雲崗石窟」の詳しい説明は 【三大石窟】 ☜ こちらをクリックしてください
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