google.com, pub-2132796719425109, DIRECT, f08c47fec0942fa0 心に残る中国映画セレクション100: チャン・イーモウ
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2017年7月1日土曜日

チャンイーモーが中国映画「妻への家路」に込めた密やかなるメッセージはなに?

妻への家路

映画の紹介
チャン・イーモウ監督×コン・リー主演の新たなる最高傑作が誕生!
アン・リー、スピルバーグなど、世界の巨匠達が絶賛! カンヌ、トロント映画祭など13もの映画祭にて拍手喝采で称えられた感動作。
近くに居ても心を通わすことができない、この世でも最も切ない夫婦の愛の物語に号泣必至!


映画データ
原題:『帰来』
出演: コン・リー, チェン・ダオミン, チャン・ホエウェン, チェン・シャオイー, イエン・ニー
言語: 中国語
字幕: 日本語
監督: チャン・イーモウ(張芸謀)

チャン・イーモウについて
映画監督:張 芸謀 は、中国の映画監督。
中国映画界の「第五世代」の監督として知られる。
また、撮影監督、俳優の経験もある。
生年月日: 1950年4月2日
生まれ: 中華人民共和国 西安市
受賞歴: 金熊賞、 金獅子賞、 カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ

ストーリー
 1977年、荒れ狂った文化大革命が終結した。
 無実の罪から開放されたり、強制労働から解放された人々も帰り、世の中は徐々に落ち着きを取り戻す。20年ぶりに解放された夫は妻との再会を果たすが、妻は長い長い心労の余り、夫だけの記憶を失っていた。  夫は出来るあらん限りの手を使い、妻の記憶を呼び戻そうとするが、妻は間近にいる夫を夫として認識せぬまま、「夫」を来る日も来る日も駅に出迎えに行く。
誰よりも愛し合い、誰よりもお互いを求めるものの、妻は夫を認識せぬまま、老いを迎えていく。


 しかし妻の記憶喪失は単に待ちわびただけではない、彼女の記憶喪失の直接の原因には、もっと恐ろしいことが彼女の身の上に起こったことを夫は知ってしまう。
 そのことを明らかにするためにその男・「方」某のところに向かう。しかし彼を待ち受けていたものは、その加害者と思しき方某も何処かに拘束され、妻もその夫を待ちわびているという現実だった。その男は加害者であると同時にそのその妻と共に被害者だった。
 この「方」という苗字だが、この漢字には固有名詞以外のある思いが込められているように思う。つまり一般名としての「方」だ。日本でもこの漢字は、同じ使い方をされるが、方向をあらわす。
 私は監督やこの作品の作者は、この「方」という名前に、あの方面の方という意味を込めている。あの方面というのは、権力者を指しているのではないかと思う。そして、この「方」は、映画の中では姿を現さない。妻にとっては、ぞんざいには扱えない影の存在だ。妻が自分自身を見出そうとすると必ず邪魔をする。

 文化大革命の中国の人々残した傷はどこまでも深く癒されることはない。そのその重い現実を監督はラスト・シーンで静かなメッセージとして我々に語りかける。

文革への内省的視点
チャンイーモー監督が我々に深いメッセージとして残したのは、中国の大家である「巴金(1904~2005年)」と同じ視点だと思います。
彼は文革で他の作家と同じく迫害されたが、文革後、自らを単なる被害者ではなく加害者だとして、深い内省と批判を『随想録』(1978-1986)に綴り、文革博物館の建造もよびかけた。(1985年国立現代文化館)

巴金について、詳しい説明は 【「中国百科 文化・芸術」第10章文学 「現代中国の作家たち」】 ☜ 
こちらをクリックしてください

背景と見どころ
 文化大革命が、中国の人々に与えた傷は今でも癒えることなくどこまでも深く深く、人々の心を「蝕んでいる」。


中国の映画人がこの文革の中で受けた迫害について、詳しい説明は 【「中国百科検定攻略ノート 「文化大革命と映画界」】 ☜ こちらをクリックしてください
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2017年5月31日水曜日

Lovers:心に残る中国映画セレクション100が贈る悲しい恋の物語

Lovers:心に残る中国映画セレクション100が贈る悲しい恋の物語

映画の紹介
 2004年夏に全国劇場公開された「LOVERS」。全盛を極めた唐王朝のほころびの中に咲くアダ花を巡る悲しい恋物語。王朝が衰退を始めた9世紀中頃の中国を舞台に、「HERO」のスタッフが贈るアクション超大作。金城武、アンディ・ラウ、チャン・ツィイーほか出演。

映画データ
出演: 金城武, アンディ・ラウ, チャン・ツィイー
監督: チャン・イーモウ, トニー・チン・シウトン
言語: 中国語, 日本語
発売日 2005/01/28
時間: 120 分


ストーリー
  西暦859年、唐代の中国で、朝廷は反乱軍最大の『飛刀門』撲滅を画策。官史の金と瀏に、指導者を10日以内に捕らえるように命ずる。飛刀門の娘と思われる小妹は目が不自由で、金は反乱戦士を装い小妹に接近。捕らえられた彼女を救出するふりして、敵のアジトまで導かせようと企むが、旅の途中でふたりの心はひかれあってしまう。 小妹にチャン・ツィイー、金に金城武、瀏にアンディ・ラウ。金と小妹に別の人物がからんで三角関係になり、加えて、誰を信じていいのかわからないトリックも隠され、ストーリーは二転三転。仕掛けたっぷりのスリリングな作品だ。


背景と見どころ
  シナリオをまともに信ずれば。唐代の末期には様々な乱が発生している。中でもとりわけ有名なのは、黄巣の乱(875~884年)で、この映画の舞台より少し遅れている。
 859年には今の青海省あたりに力を持っていた南詔国の世隆が皇帝に即位して自立していた事に対処するために、匪賊化した徐州の驕兵を活用するというように、地方ではいわば無法状態が続いていた。

 この映画にかかれた様な徒党が実際に存在したか(どうでもいいこと)は不明だが、時代背景としては唐も崩壊をしていく過程にあった。地方を平定するため唐朝は節度使というような軍事機能を持たせた管理を配置するが、その制度そのものが唐の更なる崩壊に繋がっていく。

 見所は、エンターテインメント性をたっぷり含んだ展開は、見るものにあきさせない。無条件に面白かった。チャン・ツィイーの持つ蒼い色気、構成画面の美しさも見逃せない。芸術性も評価できる。




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2017年5月18日木曜日

心温まる中国映画「至福のとき」・・チャン・イーモウ監督が贈る“しあわせの三部作”

至福のとき

映画の紹介
 チャン・イーモウ監督が贈る“しあわせの三部作”最終章。中国の近代都市・大連。見合いで出会った中年の失業者・チャオと盲目の少女、ウー・インは親子のような絆で結ばれていくが…。

映画データ
  • 主演:チャオ・ベンシャン, ドン・ジエ, フー・ピアオ, リー・シュエチエン, ニウ・ベン
  • 監督: 監督: チャン・イーモウ
ストーリー
 中国の近代都市・大連。ある日、盲目の少女ウー・インの継母は、“至福旅館”の経営者を名乗る男チャオと見合いをした。実は彼は工場をリストラされた失業者。何とか見合いを成功させようと大見栄を張ってしまった。継母はウー・インを按摩師として働かせるよう願い出た。チャオは継母に冷遇されている彼女に同情し、廃工場に按摩室を急造する。彼は仲間に、旅館の客のフリをするなどの芝居を打ってもらい、ウー・インに稼がせる。そして、彼女も次第に生きる希望を取り戻していき、チャオとも親子のような間柄になっていくのだが……。

背景と見どころ
 これを見たのは、数年前のことだったが、今でも思い出す度に、じわっと自分の周りが暖かい空気に包まれているように気分になる。下町の叔父さんおばさんに囲まれているような気分になる。見ていて勇気がわくとか、元気が出るという気分ではないが、ぬるめの湯に浸かってリラックスさせてくれる映画だった。、


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2017年5月16日火曜日

チャンイーモーが高倉健のために作ったような映画「単騎、千里を走る」

単騎、千里を走る

 チャンイーモーが高倉健のためだけに作ったような映画。
 これは高倉健のファンなら、何度でも繰り返し繰り返し見たい中国映画だ。



映画の紹介
『HERO』『LOVERS』のチャン・イーモウ監督、『鉄道員(ぽっぽや)』の高倉健主演という、日中映画界最高峰の顔合わせで贈る感動大作。作品は中国の名匠チャン・イーモウが高倉健を撮りたいと高倉健のために練り上げた作品で、高倉健のために作った作品だと良く理解できる。

 
 この映画を見て、第一印象は日本人も中国人も何も違ったところはないのだ。お互いの感性は同じで、分かり合える民族だということだ。
百遍「日中友好」を繰り返すよりも、この映画を一度見れば、友好的な気分になれるものだと思う。
  この映画のカストマーレビューにもあった「この映画の制作は100人の外交官が中国に行くより、日本と中国の距離を縮めてくれたのではないだろうか。・・・見た後、心が洗われるような映画である。」というレビューには全く同感である。
 また監督のチャンイーモーが実に丁寧な造りこみをしている。一度は見るべき映画ではないかと感じさせる。


映画データ
  • 出演: 高倉健, リー・ジャーミン, ジャン・ウェン, チュー・リン, ヤン・ジェンポー(中国側配役は殆ど現地の人を使ったということで、見ていて演義っぽくない、自然な雰囲気が醸しだされている。
  • 監督: チャン・イーモウ
  • 字幕: 日本語

ストーリー
 息子が病床にいると聞いた高田(高倉健)だったが、息子との間には確執があり、長年会うこともなかった。しかし、余命いくばくもないと知り、彼は息子と中国の役者リー・ジャーミンとの約束を果たすために、単身中国へ。言葉も不自由な彼が、中国でいろんな人と交流を持ちながら、リー・ジャーミンを求めて旅をする。
 そこで出会えたリー・ジャーミンは、高田の「息子を想う心」にほだされたのか、「子供に会いたい」と号泣をして演義をすることが出来ない。そこで高田は子供を捜しだすが、子供は父親に会おうとはしない。高田は子供の写真を撮って、父親に子供と会ったことを報告する。父は感動して高田のために京劇を舞うのだった。高田は、それでもリー・ジャーミンの心中を慮り撮影はせず、静かに父親の演技に見入るのだった。


背景と見どころ
 日本では、「親子の断絶」ということが人々の口に上っていたころ、全く違う状況ではあるが、親子離れ離れで暮らす現実があり、この映画は異なる状況であるが、親子の絆を再確認させるものであった。
 映画で、チャンイーモー監督の実に細やかで丁寧な描き方に感心した。それと同時に、主人公高田が、決して自分の感情を押し付けず、相手の気持ちを思いやる心使いが随所に見られた。監督の姿勢であると同時に、高倉健の演技力に負うところが大きいと思う。特に高田が、息子の病院に見舞うシーン、リー・ジャーミンが「息子に会いたい」と号泣するシーンで高田が息子を想う父の気持ちを察するシーン、子供が父に会いに行くことを拒否するシーンで、「子供の気持ちが、未だ十分熟していない」と子供を連れて行くことを諦めるシーンなどなど見どころ満載である。ただアクションではないので、派手さはないが、渋い演義はやはり大きな見どころの一つである。



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【「中国百科 映画編」21世紀に入って】 ☜ こちらをクリックしてください
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2017年5月10日水曜日

チャン・ツィイーの映画界デビュー作「初恋のきた道」

「中国百科映画館」初恋のきた道

 色々なコメントや感想を見るより、全ての人に無条件に見て欲しい。この映画には言葉は要らない。このページもすっ飛ばして、見て欲しい!

内容紹介
 言葉にできない想いの数が、ひと皿ふた皿増えてゆく。 切なさに胸ふるえる清冽なラブ・ストーリー

 少し前に見た映画であるが、このせちがらい、ギスギスした世の中に、未だこんな世界があったのだ!
 本当に純粋で愛は何でも貫く力があると改めて感じさせてくれた。

 張芸謀監督もこの時分は未だ純粋だったのかなと思った。ヒロインのチャン・ツィイーはあっという間に大女優になってしまった。清廉可憐な時代が余りに短すぎたように感じてしまう。余計なことを言いました。

【ストーリー】
華北の美しい村に、ある日都会から若い教師がやってくる。そんな彼に恋心を抱いた18歳の少女。彼女は言葉に出来ない想いを料理を作ることで伝えようとする。そんな想いが彼に届くが、時代の波が押し寄せ2人は離れ離れに。少女は町へと続く一本道で、来る日も来る日も愛する彼を待ち続けるのだが…。 2000年大ヒット・ロングランとなった珠玉のラブ・ストーリー。


【スタッフ&キャスト】
≪監督≫チャン・イーモウ
≪出演≫チャン・ツィイー



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