google.com, pub-2132796719425109, DIRECT, f08c47fec0942fa0 心に残る中国映画セレクション100

2017年5月31日水曜日

Lovers:心に残る中国映画セレクション100が贈る悲しい恋の物語

Lovers:心に残る中国映画セレクション100が贈る悲しい恋の物語

映画の紹介
 2004年夏に全国劇場公開された「LOVERS」。全盛を極めた唐王朝のほころびの中に咲くアダ花を巡る悲しい恋物語。王朝が衰退を始めた9世紀中頃の中国を舞台に、「HERO」のスタッフが贈るアクション超大作。金城武、アンディ・ラウ、チャン・ツィイーほか出演。

映画データ
出演: 金城武, アンディ・ラウ, チャン・ツィイー
監督: チャン・イーモウ, トニー・チン・シウトン
言語: 中国語, 日本語
発売日 2005/01/28
時間: 120 分


ストーリー
  西暦859年、唐代の中国で、朝廷は反乱軍最大の『飛刀門』撲滅を画策。官史の金と瀏に、指導者を10日以内に捕らえるように命ずる。飛刀門の娘と思われる小妹は目が不自由で、金は反乱戦士を装い小妹に接近。捕らえられた彼女を救出するふりして、敵のアジトまで導かせようと企むが、旅の途中でふたりの心はひかれあってしまう。 小妹にチャン・ツィイー、金に金城武、瀏にアンディ・ラウ。金と小妹に別の人物がからんで三角関係になり、加えて、誰を信じていいのかわからないトリックも隠され、ストーリーは二転三転。仕掛けたっぷりのスリリングな作品だ。


背景と見どころ
  シナリオをまともに信ずれば。唐代の末期には様々な乱が発生している。中でもとりわけ有名なのは、黄巣の乱(875~884年)で、この映画の舞台より少し遅れている。
 859年には今の青海省あたりに力を持っていた南詔国の世隆が皇帝に即位して自立していた事に対処するために、匪賊化した徐州の驕兵を活用するというように、地方ではいわば無法状態が続いていた。

 この映画にかかれた様な徒党が実際に存在したか(どうでもいいこと)は不明だが、時代背景としては唐も崩壊をしていく過程にあった。地方を平定するため唐朝は節度使というような軍事機能を持たせた管理を配置するが、その制度そのものが唐の更なる崩壊に繋がっていく。

 見所は、エンターテインメント性をたっぷり含んだ展開は、見るものにあきさせない。無条件に面白かった。チャン・ツィイーの持つ蒼い色気、構成画面の美しさも見逃せない。芸術性も評価できる。




心に残る中国映画セレクション100のホームページに戻ります。  

2017年5月30日火曜日

戦争シーンのない反戦映画 「戦場に咲く花」

戦場に咲く花

戦争に行きたくて仕方がない方にも、おすすめの中国映画です。 

映画の紹介
日中戦争下の南満州の小さな駅が舞台。1人の軍人の死を切っ掛けに、人間の名誉、命、意地をかけて、戦争の本質に迫る。ジャン・チンミンの第1回監督作品。



映画データ
原題: 葵花却 The Last Sunflower
出演: 緒方直人, ワン・シュエチー, ワン・ラン, チャン・ホエクー, ディン・ハイフォン
監督: ジャン・チンミン(蒋欽民)

人物紹介
映画監督 生年月日: 1963年10月30日 (53歳)
生まれ: 中華人民共和国 湖南省
映画: 東京に来たばかり、 Sky Lovers、 純愛 JUN-AI、 Sister Dictionary
言語: 中国語
字幕: 日本語, 中国語
時間: 86 分


ストーリー
中国の東北の長白山の近く、中国と朝鮮の国境に位置するある小さな駅では駅長とその女房と駅長の弟そして子供の4人で幸せに暮らしていた。あの日までは・・。そうその駅に嘗て、乗馬では国際的にも名を馳せたことのある軍人が送られてきた。彼は戦争で負傷し、その傷を癒す為という体のいい理由であったが、実は軍隊では彼を見捨てていた。彼は気弱で、余り軍人にも向いていないようだった。
 彼は居丈高に振舞うことで、権威を保とうとする。そんな彼にある日召還命令が来る。彼は自分自身と軍隊の中での自分の立ち位置に悲観をしていて、自殺してしまう。
 それが中国人の駅長一家の本当の災難の始まりであった。



背景と見どころ
 この映画は反戦映画です。しかし、戦闘は出てきません。戦闘のない、中国の辺境の小さな小さな駅が舞台です。何もなければ、おそらく平和なのどかな駅だったのでしょう。事実この駅長は30年間無事に勤め上げてきた人という設定になっています。
 今は介護施設で暮らす車椅子の元憲兵の語りを基調に物語りは展開されます。憲兵の語りは、戦争では何万回も、何十万回も繰り返し起こったごく普通の出来事だったのでしょう。
 緒方さんが演じる主人公の少尉は、戦争でなければ、おそらく普通の優しい、気弱な青年だった。彼は、この地に赴任する時に、ヒマワリを鉢に持ってきて、それを駅の周りに植えるような優しさを持った青年です。そして、このヒマワリが映画のテーマの一つになっています。しかし戦争という坩堝にほうり込めれれば、狂人と化す。
 もう一つのテーマは、軍隊という組織でしょう。この組織が、無実の人間を殺人者に仕立て上げ、やがて虫けらの如く踏みにじる冷酷さ。監督はそれを訴えたかったのではなかったかと思います。
 私は、彼と対峙する中国人の4人の駅長一家の人々が、むしろ誇り高く、堂々としていて何事にも動じない強さを持っているように感じました。主人公の自分の弱さを感じるから余計に居丈高に強い自分を演じなければならない哀れを感じる。
 誰もでも見て欲しい心にしみるすばらしい映画です。比較的最近の映画で「東京に来たばかり」というのもぜひみたいと思います。




心に残る中国映画セレクション100のホームページに戻ります。