google.com, pub-2132796719425109, DIRECT, f08c47fec0942fa0 中国映画おすすめ100選への道: 6月 2018

2018年6月5日火曜日

中国映画「赤い鞄」:小学校建設に全財産をなげうって奔走した実話、心を揺さぶる

赤い鞄 チベット、秘境、モォトゥオヘ

中国映画のDVD「紅い鞄-チベット、秘境モォトゥオへ-」を観ました。すばらしい映画です。感動しました。
 昔の淀川長治さんの「いやあ!映画って本当にいいですね」という台詞を思い出しました。日ごろ私たちの回りにあふれる、中国と名がつけば、反日だ、それ共産党だのという「そしりや誹謗」を暫し忘れてしまう映画でした。
それは中国の国家の思惑もあるでしょう。プロパガンダもあるでしょう。しかしこの映画はしばしそのような「雑音」を忘れ、純粋無垢の気持ちにさせてくれます。
 このような映画を見ると、私たちの中国人感と現実との乖離を感じさせてくれます。



キャッチコピー
 中国最後の秘境と呼ばれるチベット自治区の山奥、墨脱(モォトゥオ)を舞台にしたアドベンチャー・ロード・ムービー。物語は、墨脱の過酷な実情を知り、私財をはたいて現地に小学校を建てた実在の老人の実話を綴ったルポルタージュ『走進墨脱』が基になっている。

映画データ
製作年: 2003年
製作国: 中国
原題: 心跳墨脱/STIRRING TRIP TO MUTUO

出演者/監督・スタッフ
監督: ハスチョロー
出演: スン・ミン[俳優] 、ボオ・ホン 、パイマーチュエツァ、スン・ミン 、パイマーチュエッツァ


ストーリー
左の地図は、墨脱(モォトゥオ)がどこになるか示すため、馴染みの深いラサを圏内に入れて抜き出したものである。地図でも分かるように、墨脱(モォトゥオ)は中国とインドの国境付近にあり、この地域の一部はインドが実効支配をしているところもあるという。
 この地域には、少数民族のメンパ族が多くすむ所でもある。
 地図上の赤いバルーンのあるところが、墨脱(モォトゥオ)である。

 上海の新聞記者ワンは、秘境・墨脱に私財で学校を建てた老人の話を耳にして、その老人への取材を試みることに。
 麓の村までやって来ると、その老人が働く小学校の校長、持病を持つ老人を診察するために来たわがままな女医などと合流
 彼らと一緒に墨脱を目指して旅を開始する。しかし、そんな一行の前には数々の危険と困難が待ち受けていた。


背景と見どころ
 この映画の舞台は、5000メートルの高地にある小学校を目指して厳しく、過酷で想像を絶する旅が続く。初めは行くのを渋っていた担ぎ屋の親方や生粋の上海育ちのわがままな女医さん達も、老人を慕う校長の熱意に突き動かされ、共にはるか離れたモォトゥオに向かう。しかしその旅路は、高山病や、山蛭、歩幅もないがけっぷちの岩場、底なしの沼地など苦難の連続であった。
 しかし一向は、老人hが苦難を押して戦い続ける姿に突き動かされ、、子供たちを安全に学校に行かせてやりたいという純粋な気持ちを抱いて、そしていつか厳しいけれども雄大な自然に抱かれて旅する中で一体感が生まれ、この困難なたびを踏破する。
 誰もが見て欲しいすばらしい映画だ。





中国百科映画館のホームページに戻ります。  

2018年6月1日金曜日

中国映画「一輪明月 ~弘一大師の生涯」:漫画を世に送出した豊子ガイとの麗しい師弟関係

一輪明月 ~弘一大師の生涯

中国映画のDVD「一輪明月 ~弘一大師の生涯」を観ました。

 この映画は、清朝末期から日中戦争末までを生きた禅宗の高僧で、芸術家でもあった、弘一大師の波乱に満ちた生涯を描いたものです。 日本ではあまり有名ではありませんが、中国では中国の近代芸術を開いた禅宗の高僧として広く知られて、深い尊敬をを受けています。彼の薫陶を受け、中国で「漫画」というジャンルを確立した豊子愷が羽ばたいています。
 中国映画「弘一大師の生涯」は2005年に製作されています。主人公の日本人妻として、ビビアン・スーが起用されています。


映画のキャッチコピー
 孤高の天才芸術家・弘一大師の生涯を描く人間ドラマ。天津の裕福な家庭で妾妻の子として育った李叔同は、25歳で日本に留学し芸術を学び、その後の中国芸術界に新風を吹き込む。日本人女性との結婚、仏教への傾倒、出家、妻との別離までを綴った感動作。


映画データ
製作年: 2005年
製作国: 中国
原題: A BRIGHT MOON

監督: ルー・チー 、 路奇
出演: プー・ツンシン 、 ビビアン・スー(徐 若瑄) 、 リー・ジエンチュン 、 マー・シューリアン 、 グー・ハイビン 、 マー・シューリャン
ストーリー
 この映画は弘一大師の生涯を忠実に描いた伝記である。
 しかし、いくら伝記ものといえ、時代背景のぶつ切りの節目節目をつなぎ合わせただけの、ある意味粗雑なつくりになっているのは残念。
 また、その間の主人公の心の葛藤と時代背景との関連が描かれていなく、主人公の行動が分かりにくいものになっている。く

背景と見どころ
 物語は、清朝末期太平天国の乱等で、社会は大きく乱れる時代を描く。清朝は、李鴻章の地方軍閥「淮軍」、曽国藩の「湘軍」等の力を利用し、押さえ込もうとするが、命脈の尽きた清朝を立て直すことは出来ず、社会は乱れに乱れることとなった。
 この映画は、1880年主人公が生まれた年から、1911年の辛亥革命、袁世凱の台頭、国民政府の成立、日本の侵略、日中戦争、太平洋戦争までの主人公の生きた動乱の時代を背景に主人公の生涯を描き出す。
 また、弘一大師の弟子である、豊子愷は日本の竹久夢路にも師事した画家であり、「漫画」という題つきの線画という新しいジャンルの確立に貢献をしている。この映画でも、弘一大師と豊子愷の師弟関係が描かれており興味深い。
 また、もう一つ残念な点は、この映画が全体的に荒削りで、緻密さにかける点である。昔の創世記の映画ではあるまいし、もう少し丁寧な描き方をして欲しかった。

中国百科映画館のホームページに戻ります。