映画データ
出演: シュイ・ファン, チャン・チンチュー, リー・チェン, チェン・ダオミン
監督: フォン・シャオガン(馮小剛)
販売元: 松竹
発売日 2015/08/05
時間: 135 分
ストーリー
1976年7月28日、文化大革命の嵐もようやく収まり、世の中が平穏を取り戻しつつある時に事件は起こる。
唐山市を未曽有の大地震が襲った。突然、金魚鉢の魚が暴れて外に飛び出すような異変が起きるとすぐに、夜空が強く光ったと思うと、大音響と共に激震が走る。この世の全てのものを叩き潰すような激しい揺れ。
倒壊する建物の中で夫を失った母は、狂乱のようになっている時、双子の姉弟が瓦礫の下にいるという知らせに現場に赴く。
そして、同時にどちらか一人しか助けられないというあまりにむごい選択を迫られる。苦渋の中で「息子を・・・」と泣き崩れる母親。だが、その苦渋に満ちた声に瓦礫の下の姉は深い絶望と悲しみに涙を流していた。
息子は腕を切断しながらも命をとりとめ、娘は死体置き場に放置される。
時は流れ、母親は家族を失った喪失感と娘を見殺しにしてしまった罪悪感に苛まれながら、残された息子を女手ひとつで必死で育てていた。そして娘も奇跡的に命を取り留め、養父母の元で成長していた。
そして、32年の歳月を経て、離れ離れの母子の運命が大きく動き出す。今度は四川省で大地震が勃発し、上海とカナダで全く別々にその実況に接した兄弟は、吸い寄せられるように、救援に四川省に向かう。
映画の見どころ
この映画は自然現象に翻弄される人々、あまりにむごい決断をせざるを得なかった母親、見捨てられた娘、姉の代わりに助けられたという負い目を背負わされた弟、そして姉を引き取り実の娘のように育て上げた養父母、それぞれが抱える悩みや苦しみをじっくりと聴衆に訴えかける。
自分の生き様に容赦なく自省を迫ってくる。「お前は、どうなんだ。お前の生き方はそれでいいのか」と。
これらは、後付のたら話といわれるかも知れないが、それでもなお・・・。
致命的な状態に陥ると陥らない状況の間にはそんなに大きな差はないと感じる。ほんの僅かな差が生死を分ける。「災害に見舞われたとき、最初の一撃を受けないように最大限の注意を払うようにするべきだ」ということが身に染みて感じさせられる。
同時に人間は、究極の災難に見舞われたときに、わが身を忘れて助け合うものなのだということに確信が持てて、人間て捨てたものではないと思っている。
命さえあれば、道は開けるものなのだと思う。
映画の背景
この映画が撮られたのは冒頭にも触れたように、文化大革命が終息した後に作られている。もし、これが文化大革命中に起こっていたとしたら、どのような結果を引き起こすであろう。考えるとある意味ぞっとする話だ。どんなときにも人間がベースにないとだめだと改めて感じた。
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