番外編 映画:「ニコライとアレクサンドラ」
繰り返されるロシアの悲劇100年前の皇帝に代って独裁者の再来
今から約百年前まで、ロシアは皇帝ニコライが専制政治を敷いていました。そして今、プーチンによる独裁政治がひかれています。民族解放を標榜し、帝政を倒し国民が主人公てとなる民主主義のために闘ったロシアは今どこに行ったのでしょう。原題:「The Royal Family」をご紹介します。
これは中国映画ではありませんが、今進行しているロシアのウクライナ侵攻を判断する材料として、この映画を取り上げてみたいと思います。
2022年の現在ロシアのウクライナ侵攻が、 世界中の大きな非難を巻き起こしております。 しかしながらロシアのプーチンはこの非難に怯むことなくウクライナ屈服させようと大量殺戮の手段まで訴えています。
この映画は、ちょうど100年前に、ロシアはロシア革命が勃発し、その時までにロシアを支配していた倒れ行く、ロマノフ王朝を舞台にしています。
この映画の主人公はロシアの最後の皇帝ニコライとその妻のアレクサンドラです。実はこの映画の主人公はもう一人いるのです。それはラスプーチンという人です。この人は実在した人物ですが、すでに末期的症状を見せていた、王朝の中に巣食い、皇后アレクサンドラの寵愛を受け、ロシア革命の前夜にロシアの帝政の政治を大きく混乱させた人物です。
ラスプーチンの暗躍のために、国内政治が滞っている状態は、100年後の現在プーチンの独裁のために国内の行政機能が麻痺している状況と似通っていると考えられます。
したがって、ロシアの正常なる判断が失われ、ウクライナに一方的に侵略することになったと考えられますが、プーチンを突き動かしたものはなんだったろう。それはプーチンに聞いてみないとわからないと大概の人は言うでしょうが、しかし私はプーチンの個人的な動きあるいは考え方興味ありません。
それよりもプーチンを取り巻く環境、ロシアの歴史及びロシアの経済的政治的地理的に置かれた環境などプーチンがどのように育てられたか知ることがもっと大事なことではないだろうか。
個人が歴史の中で果たす役割は、歴史の一瞬一瞬では大きなものであるかもしれません。しかし歴史を大きな流れの中で捉えた場合に、個人の果たす役割はその一瞬に過ぎないわけで、偶然性の中に必然性が貫徹されているはずです。私たちがある事柄を見るときに、忘れてはならないのは「史的唯物論的に、科学的に」見るという態度に徹することだと思います。
映画の紹介
この映画は、1972年アメリカで封切られたもののようです。アメリカの映画であるからには、当時のアメリカで支配的であった考え方からは払拭できていないと考えるべきでしょう。(もちろんそれを凌駕した真にに素晴らしい映画もあったでしょうが・・) それを頭に置いた上で評価しなければなりません。
映画データ
製作: Columbia Pictures
原題: Royal Family
邦題: ニコライとアレクサンドラ
監督: Franklin Schaffner
出演: Michael Jayston, Janet Suzman, Roderic Noble
ストーリー
1904年。ロシア皇帝ニコライと皇后アレクサンドラとの間に、皇太子アレクセイが誕生した。しかし、アレクセイが血友病にかかっていることが分かり、怪僧ラスプーチンの不思議な力で危機が一時的に回避された。それを機にアレクサンドラは彼を寵愛するようになるが、ラスプーチンは次第に皇帝までをも操り出す。これが王室の悲劇の始まりとなり、ロシア帝国の未来に暗雲が立ち込める…。
皇帝とはいえ、個人の判断を国家としての判断の上に置いた悲劇であるともいえよう。
背景と見どころ
この映画は、皇帝ニコライが、ラスプーチンに篭絡された皇后に拘泥することにより、現実を見ることではなく、かつての力のあった王朝の栄光の復活の実を夢見て、次第に孤立し、問題を先送りし、ずるずると成り行きに引きずられていく過程をしっかりと見ることが肝要です。そのうえで、今日のロシアに視点を移してみると、この大ロシア帝政の時代のロシアの再来を夢見た権力者がかつてのソ連の時代の力による栄光の復活を夢見て、やはり現実を見ることなく、孤立していく様がダブって見えることである。
この映画は、1972年アメリカで封切られたもののようです。アメリカの映画であるからには、当時のアメリカで支配的であった考え方からは払拭できていないと考えるべきでしょう。(もちろんそれを凌駕した真にに素晴らしい映画もあったでしょうが・・) それを頭に置いた上で評価しなければなりません。
映画データ
製作: Columbia Pictures
原題: Royal Family
邦題: ニコライとアレクサンドラ
監督: Franklin Schaffner
出演: Michael Jayston, Janet Suzman, Roderic Noble
ストーリー
1904年。ロシア皇帝ニコライと皇后アレクサンドラとの間に、皇太子アレクセイが誕生した。しかし、アレクセイが血友病にかかっていることが分かり、怪僧ラスプーチンの不思議な力で危機が一時的に回避された。それを機にアレクサンドラは彼を寵愛するようになるが、ラスプーチンは次第に皇帝までをも操り出す。これが王室の悲劇の始まりとなり、ロシア帝国の未来に暗雲が立ち込める…。
皇帝とはいえ、個人の判断を国家としての判断の上に置いた悲劇であるともいえよう。
背景と見どころ
この映画は、皇帝ニコライが、ラスプーチンに篭絡された皇后に拘泥することにより、現実を見ることではなく、かつての力のあった王朝の栄光の復活の実を夢見て、次第に孤立し、問題を先送りし、ずるずると成り行きに引きずられていく過程をしっかりと見ることが肝要です。そのうえで、今日のロシアに視点を移してみると、この大ロシア帝政の時代のロシアの再来を夢見た権力者がかつてのソ連の時代の力による栄光の復活を夢見て、やはり現実を見ることなく、孤立していく様がダブって見えることである。
詳しい説明は 【ニコライとアレクサンドラ】 ☜ こちらをクリックしてください
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